专利摘要:
本発明は、式(I)(式中、Ar、r、n、X、R2、R2’、R3、およびR5〜7は、明細書に定義されている通りである)、または薬学的に許容されるその塩を有する化合物に関する。これらの化合物は、AT1受容体アンタゴニスト活性およびネプリライシン阻害活性を有する。本発明はまた、このような化合物を含む医薬組成物、このような化合物の使用方法、ならびにこのような化合物を調製するための工程および中間体に関する。
公开号:JP2011506459A
申请号:JP2010538080
申请日:2008-12-08
公开日:2011-03-03
发明作者:ブルック オルソン,;ソク−キ チョイ,;ポール;アール. ファザリー,;ロバート;マレー マッキネル,
申请人:セラヴァンス, インコーポレーテッド;
IPC主号:C07D235-08
专利说明:

[0001] 本発明は、アンジオテンシンII1型(AT1)受容体アンタゴニスト活性およびネプリライシン阻害活性を有する新規な化合物に関する。本発明はまた、このような化合物を含む医薬組成物、このような化合物を調製するための工程および中間体、ならびに高血圧などの疾患を治療するためのこのような化合物の使用方法に関する。]
背景技術

[0002] 降圧療法の目的は、血圧を低下させ、心筋梗塞、脳卒中、および腎疾患などの高血圧が関連する合併症を予防することである。合併症のない高血圧を有する患者(すなわち、危険因子、標的臓器の損傷、または心血管疾患がない)について、血圧を下げることによって、同じ患者において一次的状態として同時に存在する状態である心血管および腎臓の併存疾患の発症を予防することが期待される。現存する危険因子または併存疾患を有するそれらの患者について、治療の標的は、合併している疾患の悪化の遅延および死亡率の減少である。]
[0003] 食事および/またはライフスタイルの改善によって血圧を適切に管理することができない患者のために、医師は一般に薬理学的療法を処方する。一般に使用される治療クラスは、利尿、アドレナリン作動性阻害、または血管拡張を促進するように作用する。どのような併存疾患が存在するかによって薬物の組合せが処方されることが多い。]
[0004] 高血圧を治療するために使用される5種の一般の薬物クラスがある。利尿剤(チアジドおよびチアジド様利尿剤(ヒドロクロロチアジドなど)、ループ利尿剤(フロセミドなど)、ならびにカリウム保持性利尿剤(トリアムテレンなど)が含まれる);β1アドレナリン受容体遮断剤(コハク酸メトプロロールおよびカルベジロールなど);カルシウムチャネル遮断剤(アムロジピンなど);アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(カプトプリル、ベナゼプリル、エナラプリル、エナラプリラト、リシノプリル、キナプリル、およびラミプリルなど);ならびにまたアンジオテンシンII1型受容体遮断剤(ARB)として公知のAT1受容体アンタゴニスト(カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、およびバルサルタンなど)。これらの薬物の組合せ、例えば、カルシウムチャネル遮断剤(アムロジピン)およびACE阻害剤(ベナゼプリル)、または利尿剤(ヒドロクロロチアジド)およびACE阻害剤(エナラプリル)がまた投与される。これらの薬物の全ては、適切に使用されるとき、高血圧の治療において有効である。それにもかかわらず、高血圧を標的とする新規な薬物において、効力および忍容性の両方がさらに改善されるべきである。多くの治療法の選択肢が利用できることに拘らず、最近の全国健康栄養診断調査(NHANES)によって、高血圧を有する全ての治療を受けた患者の約50%のみが適切な血圧管理を行ったことが示された。さらに、利用可能な治療における忍容性の問題による患者の不十分な薬剤服用順守は、治療の成功をさらに減少させる。]
[0005] さらに、降圧剤の主要なクラスの各々は、いくつかの欠点を有する。利尿剤は、脂質代謝およびグルコース代謝に悪影響を与えることがあり、起立性低血圧、低カリウム血、および高尿酸血を含めた他の副作用と関連する。β遮断剤は、疲労、不眠、およびインポテンスをもたらすことがあり、いくつかのβ遮断剤はまた、患者群に望ましくないことがある心拍出量の減少および徐脈をもたらすことがある。カルシウムチャネル遮断剤は広範に使用されているが、他の薬物クラスと比較してこれらの薬物が致死性および非致死性の心イベントをどれくらい有効に減少させるかについて議論の余地がある。ACE阻害剤は咳込みをもたらすことがあり、よりまれな副作用には、発疹、血管性浮腫、高カリウム血、および機能性腎不全が含まれる。AT1受容体アンタゴニストは、ACE阻害剤として同等に有効であるが、咳の高罹患率を伴わない。]
[0006] ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ、EC3.4.24.11)(NEP)は、脳、腎臓、肺、消化管、心臓、および末梢血管系を含めた多くの組織中に見出される内皮膜結合Zn2+メタロペプチダーゼである。NEPは、いくつかの血管作動性ペプチド(循環するブラジキニンおよびアンジオテンシンペプチド、ならびにナトリウム利尿ペプチド(後者は、血管拡張および利尿を含めたいくつかの作用を有する)など)の分解および不活性化に関与している。したがって、NEPは、血圧の恒常性において重要な役割を果たしている。NEP阻害剤は、有望な療法として研究されてきており、チオルファン、カンドキサトリル、およびカンドキサトリラトが含まれる。さらに、NEPおよびACEの両方を阻害する化合物がまた設計されており、オマパトリラット、ゲンパトリラト、およびサムパトリラトが含まれる。バソペプチダーゼ阻害剤と称されるこのクラスの化合物は、非特許文献1に記載されている。]
[0007] Darrowらへの特許文献1(Schering Corporation);Ksanderらへの特許文献2;Puら、カナダ心血管会議で示された抄録(2004年10月);非特許文献2;およびGlasspoolらへの特許文献3(Novartis AG)に記載されているAT1受容体アンタゴニスト/NEP阻害剤の組合せからも明らかなように、AT1受容体拮抗およびNEP阻害を合わせたときに降圧の効力を増加させる可能性があり得る。]
[0008] 最近、Fengらへの特許文献4(Novartis AG)は、AT1受容体アンタゴニスト化合物がNEP阻害剤化合物に非共有結合をしている、またはアンタゴニスト化合物が陽イオンによって阻害剤化合物に連結している、AT1受容体アンタゴニストおよびNEP阻害剤の複合体について記載している。]
[0009] 当技術分野における進歩に拘らず、現在併用療法によってのみ達成することができる血圧管理のレベルをもたらす、多くの作用機構を有する非常に効果的な単独療法に対する必要性が存在する。したがって、様々な昇圧剤は公知であり、様々な組合せで投与されるが、同じ分子内にAT1受容体アンタゴニスト活性およびNEP阻害活性の両方を有する化合物を提供することが非常に望ましいであろう。これらの活性の両方を有する化合物は、単一分子の薬物動態を有する一方で、2つの独立した作用機序を通して降圧活性を示すために、治療剤として特に有用であることが期待される。]
[0010] さらに、このような二重活性化合物はまた、AT1受容体を拮抗し、かつ/またはNEP酵素を阻害することによって治療することができる種々の他の疾患を治療する有用性を有することが期待される。]
[0011] 国際公開第92/13564号
米国特許出願公開第2003/0144215号明細書
国際公開第2007/045663号
国際公開第2007/056546号]
先行技術

[0012] Roblら、Exp.Opin.Ther.Patents(1999年)9巻(12号):1665〜1677頁
Gardinerら、JPET(2006年)319巻:340〜348頁]
発明が解決しようとする課題

[0013] 本発明は、AT1受容体アンタゴニスト活性およびネプリライシン(NEP)酵素阻害活性を有することが見出されてきた新規な化合物を提供する。したがって、本発明の化合物は、高血圧および心不全などの状態を治療するための治療剤として有用および有利であることが期待される。]
課題を解決するための手段

[0014] 本発明の一態様は、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩に関し、]
[0015] 式中、
rは、0、1または2であり、
Arは、]
[0016] から選択されるアリール基であり、
R1は、−COOR1a、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−OCH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、]
[0017] から選択され、
R1aは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、]
[0018] であり、
R1aaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR1abR1ac、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R1abおよびR1acは、独立に、H、−C1〜6アルキル、またはベンジルであり、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R1bは、R1cまたは−NHC(O)R1cであり、R1cは、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−O−R1ca、−C1〜5アルキレン−NR1cbR1cc、−C0〜4アルキレンアリール、または−C0〜4アルキレンヘテロアリールであり、R1caは、H、−C1〜6アルキル、または−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルであり、R1cbおよびR1ccは、独立に、Hまたは−C1〜6アルキルであり、あるいは−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になり、R1dは、H、R1c、−C(O)R1c、または−C(O)NHR1cであり、R1eは、−C1〜4アルキルまたはアリールであり、
nは、0、1、2または3であり、
各R2は、ハロ、−NO2、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C3〜7シクロアルキル、−CN、−C(O)R2a、−C0〜5アルキレン−OR2b、−C0〜5アルキレン−NR2cR2d、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレンヘテロアリールから独立に選択され、R2aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−OR2b、または−NR2cR2dであり、R2bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、または−C0〜1アルキレンアリールであり、R2cおよびR2dは、独立に、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜1アルキレンアリールであり、
R2’は、HおよびR2から選択され、
R3は、−C1〜10アルキル、−C2〜10アルケニル、−C3〜10アルキニル、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルケニレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルキニレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜5アルキレン−NR3a−C0〜5アルキレン−R3b、−C0〜5アルキレン−O−C0〜5アルキレン−R3b、−C1〜5アルキレン−S−C1〜5アルキレン−R3b、および−C0〜3アルキレンアリールから選択され、R3aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R3bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、またはアリールであり、
Xは、−C1〜12アルキレン−であり、アルキレン中の少なくとも1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aは、H、−OH、または−C1〜4アルキルであり、
R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOH、および−C0〜3アルキレン−S−SR5jから選択され、R5aは、Hまたは−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜6アルキレンアリール、−C0〜6アルキレンヘテロアリール、−C0〜6アルキレンモルホリン、−C0〜6アルキレンピペラジン−CH3、−CH[N(R5ab)2]−aaであり、aaは、アミノ酸側鎖、−2−ピロリジン、−C0〜6アルキレン−OR5ab、−OC0〜6アルキレンアリール、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C1〜6アルキル、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C0〜6アルキレンアリール、または−C1〜2アルキレン−OC(O)−OC1〜6アルキルであり、R5abは、独立に、Hまたは−C1〜6アルキルであり、R5bは、H、−OH、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5baは、H、−C1〜6アルキル、アリール、−OCH2−アリール、−CH2O−アリール、または−NR5bbR5bcであり、R5bbおよびR5bcは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5cは、H、−C1〜6アルキル、または−C(O)−R5caであり、R5caは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R5dは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−NR5daR5db、−CH2SH、または−O−C1〜6アルキルであり、R5daおよびR5dbは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5eは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)OC(O)R5ea、]
[0019] であり、
R5eaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR5ebR5ec、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R5ebおよびR5ecは、独立に、H、−C1〜4アルキル、または−C1〜3アルキレンアリールであり、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R5fは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレン−NR5faR5fb、または−C1〜3アルキレン(アリール)−C0〜3アルキレン−NR5faR5fbであり、R5faおよびR5fbは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5gは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、または−CH2−O−(CH2)2−OCH3であり、R5hは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5iは、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R5jは、−C1〜6アルキル、アリール、または−CH2CH(NH2)COOHであり、
R6は、−C1〜6アルキル、−CH2O(CH2)2OCH3、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C0〜3アルキレンヘテロアリール、および−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、
R7は、Hであり、またはR6と一緒になって−C3〜8シクロアルキルを形成し、
−(CH2)r−中の各−CH2−基は、−C1〜4アルキルおよびフルオロから独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換されており、
X中のアルキレン部分中の各炭素原子は、1個または複数のR4b基で任意選択で置換されており、X中の1個の−CH2−部分は、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、および−CH=CR4d−から選択される基で置き換えられていてもよく、R4bは、−C0〜5アルキレン−COOR4c、−C1〜6アルキル、−C0〜1アルキレン−CONH2、−C1〜2アルキレン−OH、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、1H−インドール−3−イル、ベンジル、またはヒドロキシベンジルであり、R4cは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R4dは、−CH2−チオフェンまたはフェニルであり、
R1、R2、R2’、R3、R4a〜4d、およびR5〜6中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、
Ar中の各環、ならびにR1、R2、R2’、R3、およびR5〜6中の各アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、および−N(C1〜6アルキル)2から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されており、各アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜5個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。]
[0020] 本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体および本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。このような組成物は、利尿剤、β1アドレナリン受容体遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、AT1受容体アンタゴニスト、ネプリライシン阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、プロスタグランジン、抗脂質剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、レニン阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、エンドセリン変換酵素阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン阻害剤、バソプレシン受容体アンタゴニスト、およびこれらの組合せなどの他の治療剤を任意選択で含有し得る。したがって、本発明のさらに別の態様では、医薬組成物は、本発明の化合物、第2の治療剤、および薬学的に許容される担体を含む。本発明の別の態様は、本発明の化合物および第2の治療剤を含む活性剤の組合せに関する。本発明の化合物は、さらなる薬剤(複数可)と一緒に製剤、またはさらなる薬剤(複数可)と別々に製剤することができる。別々に製剤されるときは、薬学的に許容される担体は、さらなる薬剤(複数可)と共に含んでもよい。したがって、本発明のまた別の態様は、医薬組成物の組合せに関し、この組合せは、本発明の化合物および第1の薬学的に許容される担体を含む第1の医薬組成物、ならびに第2の治療剤および第2の薬学的に許容される担体を含む第2の医薬組成物を含む。本発明はまた、このような医薬組成物を含有するキットに関し、例えば第1および第2の医薬組成物は、別々の医薬組成物である。]
[0021] 本発明の化合物は、AT1受容体アンタゴニスト活性およびNEP酵素阻害活性の両方を有し、したがってAT1受容体を拮抗し、かつ/またはNEP酵素を阻害することによって治療される疾患または障害を患っている患者を治療するための治療剤として有用であることが期待される。したがって、本発明の一態様は、AT1受容体を拮抗し、かつ/またはNEP酵素を阻害することによって治療される疾患または障害を患っている患者を治療する方法に関し、患者に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。本発明の別の態様は、高血圧または心不全を治療する方法に関し、患者に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物においてAT1受容体を拮抗する方法に関し、哺乳動物にAT1受容体を拮抗する量の本発明の化合物を投与することを含む。本発明のまた別の態様は、哺乳動物においてNEP酵素を阻害する方法に関し、哺乳動物にNEP酵素を阻害する量の本発明の化合物を投与することを含む。]
[0022] 特に対象とする本発明の化合物には、AT1受容体への結合について約5.0以上の阻害定数(pKi)を示すもの、特に、約6.0以上のpKiを有するもの、一実施形態では、約7.0以上のpKiを有するもの、より特定すると、約8.0以上のpKiを有するもの、さらに別の実施形態では、約8.0〜10.0の範囲のpKiを有するものが含まれる。特に対象とする化合物にはまた、約5.0以上のNEP酵素阻害濃度(pIC50)を有するもの、一実施形態では、約6.0以上のpIC50を有するもの、特に、約7.0以上のpIC50を有するもの、最も特に、約7.0〜10.0の範囲のpIC50を有するものが含まれる。さらに対象とする化合物には、AT1受容体への結合について約7.5以上のpKiを有し、かつ約7.0以上のNEP酵素pIC50を有するものが含まれる。]
[0023] 本発明の化合物は、AT1受容体アンタゴニスト活性およびNEP阻害活性を有するため、このような化合物はまた、研究ツールとして有用である。したがって、本発明の一態様は、本発明の化合物を研究ツールとして使用する方法に関し、この方法は、本発明の化合物を使用した生物学的アッセイを行うことを含む。本発明の化合物はまた、新規な化合物を評価するために使用することができる。したがって、本発明の別の態様は、生物学的アッセイにおいて試験化合物を評価する方法に関し、(a)試験化合物で生物学的アッセイを行い、第1のアッセイ値を提供することと、(b)本発明の化合物で生物学的アッセイを行い、第2のアッセイ値を提供すること(ステップ(a)は、ステップ(b)の前、後または同時に行われる)と、(c)ステップ(a)からの第1のアッセイ値をステップ(b)からの第2のアッセイ値と比較することとを含む。例示的な生物学的アッセイには、AT1受容体結合アッセイおよびNEP酵素阻害アッセイが含まれる。本発明のさらに別の態様は、AT1受容体、NEP酵素、または両方を含む生物系または生物試料を研究する方法に関し、この方法は、(a)生物系または生物試料を本発明の化合物と接触させることと、(b)生物系または生物試料に対する化合物によってもたらされる作用を決定することとを含む。]
[0024] 本発明はまた、本発明の化合物の調製に有用な工程および中間体に関する。本発明の一態様では、新規な中間体は、式III、IV、またはVを有する。]
[0025] 本発明のまた別の態様は、医薬の製造、特に高血圧または急性非代償性心不全の治療に有用な医薬の製造のための、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩の使用に関する。本発明の別の態様は、哺乳動物においてAT1受容体を拮抗し、またはNEP酵素を阻害するための本発明の化合物の使用に関する。本発明のさらに別の態様は、研究ツールとしての本発明の化合物の使用に関する。本発明の他の態様および実施形態は、本明細書において開示されている。]
[0026] 本発明は、式Iの化合物および薬学的に許容されるその塩に関する。]
[0027] 本明細書において使用する場合、「本発明の化合物」という用語には、下記に記載する式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、IIc、III、IV、およびVにおいて具体化されている種などの式Iによって包含される全ての化合物が含まれる。さらに、本発明の化合物はまた、いくつかの塩基性基または酸性基(例えば、アミノまたはカルボキシル基)を含有することがあり、したがって、このような化合物は、遊離塩基、遊離酸として、または様々な塩の形態で存在することができる。全てのこのような塩の形態は、本発明の範囲内に含められる。最後に、本発明の化合物はまた、プロドラッグとして存在する。したがって、本明細書において化合物についての言及、例えば、「本発明の化合物」または「式Iの化合物」についての言及には、他に示さない限り、式Iの化合物、ならびにその化合物の薬学的に許容される塩およびプロドラッグが含まれることを当業者なら理解するであろう。さらに、「またはその薬学的に許容される塩および/もしくはプロドラッグ」という用語は、プロドラッグの薬学的に許容される塩などの、塩およびプロドラッグの全順列が含まれることを意図する。さらに、式Iの化合物またはその塩の溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。]
[0028] 式Iの化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有してもよく、したがって、これらの化合物は、様々な立体異性体の形態で調製および使用してもよい。したがって、本発明は、他に示さない限り、ラセミ混合物、純粋な立体異性体(すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマー)、立体異性体が濃縮された混合物などに関する。本明細書において化学構造が立体配置なしに示されているとき、全ての可能性のある立体異性体がこのような構造に包含されていることが理解される。したがって、例えば、「式Iの化合物」という用語は、この化合物の全ての可能な立体異性体を含むことを意図する。同様に、本明細書において特定の立体異性体が示されまたは挙げられているとき、他に示さない限り少量の他の立体異性体が本発明の組成物中に存在することがあるが、ただし、このような他の異性体が存在することによって全体としての組成物の有用性が排除されないことを当業者であれば理解するであろう。個々のエナンチオマーは、適切なキラル固定相もしくは支持体を使用したキラルクロマトグラフィー、またはそれらをジアステレオマーに化学的に変換し、ジアステレオマーをクロマトグラフィーもしくは再結晶などの従来の手段によって分離し、次いで最初のエナンチオマーを再び生じさせることを含めた、当技術分野で周知の多数の方法によって得てもよい。さらに、適用できる場合、本発明の化合物の全てのシス−トランスまたはE/Z異性体(幾何異性体)、互変異性型および位置異性形態は、他に特定しない限り本発明の範囲内に含まれる。]
[0029] 1つの可能性のあるキラル中心は、化合物のX部分中に存在することがある。例えば、キラル中心は、−C1〜6アルキル、例えば−CH3などのR4b基で置換されているX中のアルキレン部分中の炭素原子に存在する。このキラル中心は、下記の部分式において記号*で示される炭素原子に存在する。]
[0030] 別の可能性のあるキラル中心は、R6が−C1〜6アルキルなどの基、例えば−CH2CH(CH3)2であり、R7がHであるとき、化合物の−CR5R6R7部分中に存在することがある。このキラル中心は、下記の式において記号**で示される炭素原子に存在する。]
[0031] 本発明の一実施形態では、記号*および/または**によって同定される炭素原子は、(R)配置を有する。この実施形態では、式Iの化合物は、記号*および/または**によって同定される炭素原子において(R)配置を有し、またはこの炭素原子(複数可)において(R)配置を有する立体異性体の形態で濃縮されている。別の実施形態では、記号*および/または**によって同定される炭素原子は、(S)配置を有する。この実施形態では、式Iの化合物は、記号*および/または**で同定されている炭素原子において(S)配置を有し、またはこの炭素原子において(S)配置を有する立体異性体の形態で濃縮されている。化合物は、*および**の炭素原子の両方においてキラル中心を有し得ることが理解される。このような場合、4種の可能性のあるジアステレオマーが存在することができる。場合によっては、本発明の化合物の治療活性を、例えば、昇圧剤として最適化するために、記号*および/または**によって同定される炭素原子は、特定の(R)または(S)配置を有することが望ましいことがある。]
[0032] 本発明の化合物、およびそれらの合成において使用されるそれらの化合物にはまた、同位体標識化合物(すなわち、1個または複数の原子が自然において主に見出される原子質量と異なる原子質量を有する原子で濃縮されている)が含まれてもよい。式Iの化合物に組み込み得る同位体の例には、例えば、それだけに限らないが、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、36Cl、および18Fが含まれる。]
[0033] 式Iの化合物は、AT1受容体拮抗活性およびNEP酵素阻害活性を有することが見出されてきた。他の特性の中で、このような化合物は、高血圧などの疾患を治療するための治療剤として有用であることが期待される。二重活性を単一の化合物中に合わせることによって、二重療法を達成することができる。すなわち、AT1受容体アンタゴニスト活性およびNEP酵素阻害活性は、単一の活性成分を使用して得ることができる。1種の活性成分を含有する医薬組成物は、2種の活性成分を含有する組成物を製剤するより典型的には容易であるため、このような単一成分組成物は、2種の活性成分を含有する組成物より有意な利点を提供する。さらに、特定の本発明の化合物はまた、アンジオテンシンII2型(AT2)受容体よりもAT1受容体の阻害に対して選択的である(治療上の利点を有し得る特性である)ことが見出されてきた。]
[0034] 本発明の化合物を命名するために本明細書において使用される命名法は、本明細書において実施例に例示されている。この命名法は、市販のAutoNomソフトウェア(MDL、San Leandro、California)を使用して得た。]
[0035] 代表的な実施形態
下記の置換基および値は、本発明の様々な態様および実施形態の代表例を提供することを意図する。これらの代表値は、このような態様および実施形態をさらに定義および例示することを意図し、他の実施形態を除外または本発明の範囲を限定することを意図しない。これに関しては、特定の値または置換基が好ましいという表現は、特に明記しない限り本発明から他の値または置換基を除外することを決して意図しない。]
[0036] 一態様によれば、本発明は、式Iの化合物に関する。]
[0037] rの値は、0、1または2である。一実施形態では、rは、1である。−(CH2)r−基中の各−CH2−基は、C1〜4アルキル(例えば、−CH3)およびフルオロから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい。特定の一実施形態では、−(CH2)r−基は、置換されていない。別の実施形態では、−(CH2)r−中の1個または2個の−CH2−基は、−C1〜4アルキル基で置換されている。]
[0038] Arは、]
[0039] ]
[0040] から選択されるアリール基を表す。Ar部分中の各環は、−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキルおよび−N(C1〜6アルキル)2から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。]
[0041] 特定の一実施形態では、Ar部分中の各環は、−OH、−C1〜4アルキル(例えば、−CH3)、ハロ(例えば、ブロモ、フルオロ、クロロ、およびジフルオロ)、−O−C1〜4アルキル(例えば、−OCH3)、および−フェニルから独立に選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい。例示的な置換Ar部分には、]
[0042] が含まれる。特に重要なのは、Arが1個または2個のハロ原子で置換されている実施形態である。]
[0043] ことが理解される。]
[0044] 特定の一実施形態では、Arは、]
[0045] から選択されるアリール基である。R1は、−COOR1a、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−OCH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、]
[0046] から選択される。R1a部分は、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、]
[0047] である。R1aaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR1abR1ac、または−CH(NH2)CH2COOCH3である。R1abおよびR1acは、H、−C1〜6アルキル、およびベンジルから独立に選択され、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になる。]
[0048] R1b部分は、R1cまたは−NHC(O)R1cである。R1c基は、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−O−R1ca、−C1〜5アルキレン−NR1cbR1cc、−C0〜4アルキレンアリール、または−C0〜4アルキレンヘテロアリールである。R1ca部分は、H、−C1〜6アルキル、または−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルである。R1cbおよびR1cc基は、Hおよび−C1〜6アルキルから独立に選択され、あるいは−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になる。R1d部分は、H、R1c、−C(O)R1c、または−C(O)NHR1cである。R1e基は、C1〜4アルキルまたはアリールである。]
[0049] R1中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。さらに、「アルキル」という用語には、例えば、−C1〜3アルキレンアリールおよび−C1〜3アルキレンヘテロアリール中に存在するものなどの二価のアルキレン基が含まれることを意図する。さらに、R1中に存在し得る各アリールおよびヘテロアリール基は、1個から3個の−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、または−N(C1〜6アルキル)2基で置換されていてもよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で置換されていてもよい。R1中の「各アルキル」、「各アリール」および「各ヘテロアリール」基に言及するとき、この用語にはまた、R1aからR1e部分中に存在し得る任意のアルキル、アリールおよびヘテロアリール基が含まれることが理解される。]
[0050] 一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、Hである。別の実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C1〜6アルキルであり、その例には、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)2−CF3、−CH2CH(CH3)2、−CH(CH3)2、−CH(CH3)−CF3、−CH(CH2F)2、−C(CH3)3、−(CH2)3CH3、および−(CH2)2−CF2CF3が含まれる。したがって、R1の例には、−C(O)OCH3、−COOCH2CH3、−C(O)O(CH2)2CH3、−C(O)OCH2CH(CH3)2、−C(O)O(CH2)3CH3などが含まれる。]
[0051] 一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C1〜3アルキレンアリール、例えば、置換されていてもよいベンジル基(クロロベンジル、フルオロベンジル、ジフルオロベンジル、−ベンジル−CH3、−ベンジル−CF3および−ベンジル−OCF3など)である。したがって、R1の例には、−C(O)OCH2−ベンジル、]
[0052] が含まれる。]
[0053] 一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C1〜3アルキレンヘテロアリールであり、その例には、−CH2−ピリジニルが含まれる。一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C3〜7シクロアルキルであり、その例には、シクロペンチルが含まれる。]
[0054] また別の実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aaであり、R1aaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR1abR1ac、または−CH(NH2)CH2COOCH3である。R1abおよびR1acは、H、−C1〜6アルキル、およびベンジルから独立に選択され、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になる。−O−C1〜6アルキル基の例には、−O−CH2CH3および−O−CH(CH3)2が含まれる。例示的−O−C3〜7シクロアルキル基には、−O−シクロヘキシルが含まれる。したがって、R1の例には、−C(O)OCH(CH3)OC(O)−O−CH2CH3、−C(O)OCH(CH3)OC(O)−O−CH(CH3)2、および−C(O)OCH(CH3)OC(O)−O−シクロヘキシルが含まれる。]
[0055] 一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C0〜6アルキレンモルホリンであり、その例には、−(CH2)2−モルホリンおよび−(CH2)3−モルホリンが含まれる。別の実施形態では、R1aは、]
[0056] である。]
[0057] 一実施形態では、R1は、−NHSO2R1bであり、R1bは、R1cである。R1c基は、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−O−R1ca、−C1〜5アルキレン−NR1cbR1cc、−C0〜4アルキレンアリールまたは−C0〜4アルキレンヘテロアリールである。R1ca部分は、H、−C1〜6アルキル、または−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルである。R1cbおよびR1cc基は、Hおよび−C1〜6アルキルから独立に選択され、あるいは−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になる。一実施形態では、R1cは、−C1〜6アルキルであり、例示的R1基には、−NHSO2−CH3およびフルオロ置換基、−NHSO2−CF3が含まれる。]
[0058] 別の実施形態では、R1cは、C0〜4アルキレンアリールであり、例示的R1基には、−NHSO2−フェニルが含まれる。別の実施形態では、R1cは、−C0〜4アルキレンヘテロアリールであり、例示的R1基には、−NHSO2−4,5−ジメチルイソオキサゾール−3−イルが含まれる。]
[0059] 別の実施形態では、R1は、−NHSO2R1bであり、R1bは、−NHC(O)R1cであり、R1cは、上記で定義されている。特定の実施形態では、R1は、−NHSO2R1bであり、R1bは、−NHC(O)R1cであり、R1cは、−C1〜6アルキルまたは−C0〜4アルキレンアリールである。]
[0060] 一実施形態では、R1は、−SO2NHR1dであり、R1dは、Hである。別の実施形態では、R1は、−SO2NHR1dであり、R1dは、R1cであり、R1cは、上記で定義されている。特定の実施形態では、R1cは、−C1〜6アルキルまたは−C0〜4アルキレンアリールである。R1cが−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、フルオロ置換基−SO2NH−CF3、−SO2NH−CHF2、−SO2NH−CF2CH2Fおよび−SO2NH−CF2CF2CF3が含まれる。]
[0061] 別の実施形態では、R1は、−SO2NHR1dであり、R1dは、−C(O)R1cであり、R1cは、上記で定義されている。特定の実施形態では、R1cは、−C1〜6アルキルまたは−C0〜4アルキレンアリールである。R1cが−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)CH3および−SO2NHC(O)(CH2)2CH3が含まれる。R1cが−C0〜6アルキレン−O−R1caであり、R1caがHであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)CH2OH、−SO2NHC(O)CH(CH3)OH、および−SO2NHC(O)C(CH3)2OHが含まれる。R1cが−C0〜6アルキレン−O−R1caであり、R1caが−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)CH2−O−CH3、−SO2NHC(O)−O−CH3、および−SO2NHC(O)−O−CH2CH3が含まれる。R1cが−C0〜6アルキレン−O−R1caであり、R1caが−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)CH2−O−(CH2)2−O−CH3が含まれる。R1cが−C1〜5アルキレン−NR1cbR1ccであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)CH2N(CH3)2、−SO2NHC(O)CH2NH2、および−SO2NHC(O)−CH(CH3)NH2が含まれる。R1cが−C1〜5アルキレン−NR1cbR1ccである別の例では、R1cbおよびR1ccは、−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になる。このような例示的R1基には、]
[0062] が含まれる。]
[0063] 別の実施形態では、R1は、−SO2NHR1dであり、R1dは、−C(O)NHR1cであり、R1cは、上記で定義されている。特定の実施形態では、R1cは、−C1〜6アルキルまたは−C0〜4アルキレンアリールである。R1cが−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)NH−CH2CH3および−SO2NHC(O)NH−(CH2)2CH3が含まれる。R1cが−C0〜4アルキレンアリールであるとき、例示的R1基には、−SO2NHC(O)NH−フェニルが含まれる。]
[0064] さらに別の実施形態では、R1は、−SO2OHである。一実施形態では、−P(O)(OH)2である。さらに別の実施形態では、R1は、−CNである。]
[0065] 別の実施形態では、R1は、−C(O)NH−SO2R1cであり、R1cは、上記で定義されている。特定の実施形態では、R1cは、−C1〜6アルキルまたは−C0〜4アルキレンアリールである。R1cが−C1〜6アルキルであるとき、例示的R1基には、−C(O)−NH−SO2−CH3、−C(O)−NH−SO2−CH2CH3およびフルオロ置換−C(O)−NH−SO2−CF3基が含まれる。]
[0066] 別の実施形態では、R1は、−OCH(R1e)−COOHであり、R1eは、−C1〜4アルキルまたはアリールである。このようなR1基の例には、−OCH(CH3)−COOHおよび−OCH(フェニル)−COOHが含まれる。]
[0067] 特定の一実施形態では、R1は、−COOR1aおよびテトラゾール−5−イルから選択される。別の実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、Hまたは−C1〜6アルキルである。]
[0068] nの値は、0、1、2または3である。一実施形態では、nは、0である。別の実施形態では、nは、1である。]
[0069] 各R2は、ハロ、−NO2、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C3〜7シクロアルキル、−CN、−C(O)R2a、−C0〜5アルキレン−OR2b、−C0〜5アルキレン−NR2cR2d、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレンヘテロアリールから独立に選択される。R2a部分は、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−OR2b、または−NR2cR2dである。R2bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、および−C0〜1アルキレンアリールから選択され、R2cおよびR2dは、H、−C1〜4アルキル、および−C0〜1アルキレンアリールから独立に選択される。]
[0070] 特定の一実施形態では、R2は、ハロ、例えば、クロロである。さらに別の実施形態では、R2は、−C1〜6アルキル(−CH3など)、およびフルオロ置換アルキル基(−CH2Fおよび−CF3など)である。別の実施形態では、R2は、−C0〜5アルキレン−OR2bであり、R2bは、Hであり、このような1個のR2基は、−CH2OHである。]
[0071] R2’部分は、HまたはR2について上記定義のような部分でよく、すなわち、ハロ、−NO2、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C3〜7シクロアルキル、−CN、−C(O)R2a、−C0〜5アルキレン−OR2b、−C0〜5アルキレン−NR2cR2d、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレンヘテロアリールから選択される。特定の一実施形態では、R2’は、Hである。別の実施形態では、R2’は、−C(O)R2aであり、R2aは、−CH3などの−C1〜6アルキルである。]
[0072] R2およびR2’中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。R2およびR2’中の「アルキル」について言及するとき、この用語には、R2a、R2b、R2cおよびR2d部分中に存在し得る任意のアルキル基が含まれることが理解される。さらに、R2およびR2’中、例えば−C0〜3アルキレンアリールおよび−C0〜3アルキレンヘテロアリール中の各アリールおよびヘテロアリールは、1個から3個の−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、または−N(C1〜6アルキル)2基で置換されていてよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で置換されていてもよい。R2およびR2’中の「アリール」または「ヘテロアリール」について言及するとき、この用語には、R2a、R2b、R2cおよびR2d部分中に存在し得る任意のアリールまたはヘテロアリール基が含まれることが理解される。]
[0073] R3は、−C1〜10アルキル、−C2〜10アルケニル、−C3〜10アルキニル、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルケニレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルキニレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜5アルキレン−NR3a−C0〜5アルキレン−R3b、−C0〜5アルキレン−O−C0〜5アルキレン−R3b、−C1〜5アルキレン−S−C1〜5アルキレン−R3b、および−C0〜3アルキレンアリール(例えば、フェニルおよびベンジルなどの−C0〜1アルキレンアリール)から選択される。R3a部分は、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、または−C0〜3アルキレンアリール(例えば、フェニルおよびベンジルなどの−C0〜1アルキレンアリール)である。R3bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、またはアリール(フェニルなど)である。]
[0074] さらに、R3中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、「アルキル」という用語には、例えば−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルおよび−C0〜3アルキレンアリール中に存在するものなどの二価のアルキレン基が含まれることを意図する。R3中、例えば−C0〜3アルキレンアリールまたはアリール中の各アリールは、1個から3個の−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、または−N(C1〜6アルキル)2基で置換されていてもよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で置換されていてもよい。R3中の「各アルキル」および「各アリール」基について言及するとき、この用語にはまた、R3aおよびR3b部分中に存在し得る任意のアルキルおよびアリール基が含まれることが理解される。]
[0075] 一実施形態では、R3は、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されている−C0〜10アルキルである。別の実施形態では、R3は、−C2〜7アルキルであり、さらに別の実施形態では、R3は、−C3〜5アルキルである。このようなR3基の例には、−CH3、−CF3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−CH2−CH(CH3)2、−CH2−CH(CH3)CH2CH3、−(CH2)2−CH(CH3)2、−CH(CH2CH3)2、および−(CH2)4CH3が含まれる。]
[0076] 別の実施形態では、R3は、−CH2CH=CHCH3などの−C2〜10アルケニルである。さらに別の実施形態では、R3は、−CH2C≡CCH3などの−C3〜10アルキニルである。]
[0077] 別の実施形態では、R3は、−シクロプロピル、−CH2−シクロプロピル、シクロペンチル、−CH2−シクロペンチル、−(CH2)2−シクロペンチル、および−CH2−シクロヘキシルなどの−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルである。特定の実施形態では、R3は、−C0〜1アルキレン−C3〜5シクロアルキルである。一実施形態では、R3は、−CH2CH=CH−シクロペンチルなどの−C2〜3アルケニレン−C3〜7シクロアルキルであり、別の実施形態では、R3は、−CH2C≡C−シクロペンチルなどの−C2〜3アルキニレン−C3〜7シクロアルキルである。]
[0078] さらに別の実施形態では、R3は、−C0〜5アルキレン−NR3a−C0〜5アルキレン−R3bである。特定の一実施形態では、R3aは、Hであり、R3bは、−C1〜6アルキルである。このようなR3基の例には、−NHCH2CH3、−NHCH(CH3)2、−NH(CH2)2CH3、−NH(CH2)3CH3、−NHCH(CH3)CH2CH3、−NH(CH2)4CH3、および−NH(CH2)5CH3が含まれる。]
[0079] 別の実施形態では、R3は、−C0〜5アルキレン−O−C1〜5アルキレン−R3bである。特定の一実施形態では、R3bは、H、−C1〜6アルキル、およびアリールから選択される。このようなR3基の例には、−OCH3、−O−CH2CH3、−OCH(CH3)2、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3、−OCH2CH(CH3)2、−O−フェニル、および−O−ベンジルが含まれる。別の実施形態では、R3は、−C0〜5アルキレン−O−C0〜5アルキレン−R3bであり、R3bは、−C1〜6アルキルであり、別の実施形態では、R3は、−O−C1〜5アルキルである。]
[0080] 別の実施形態では、R3は、−C1〜5アルキレン−S−C1〜5アルキレン−R3bであり、特定の一実施形態では、R3bは、R3が−CH2−S−CH2CH3であるときなどのHである。別の実施形態では、R3は、フェニル、ベンジル、および−(CH2)2−フェニルなどの−C0〜3アルキレンアリールである。]
[0081] Xは、−C1〜12アルキレン−であり、アルキレン中の少なくとも1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられている。したがって、Xは、−C1アルキレン−、−C1アルキレン−、−C2アルキレン−、−C3アルキレン−、−C4アルキレン−、−C5アルキレン−、−C6アルキレン−、−C7アルキレン−、−C8アルキレン、−C9アルキレン−、−C10アルキレン−、−C11アルキレン−、または−C12アルキレン−でよく、少なくとも1個の−CH2−部分は、置き換えられている。R4aは、H、−OH、および−C1〜4アルキルから選択される。一実施形態では、R4aは、Hである。−C1〜12アルキレン−部分中の各炭素原子は、1個または複数のR4b基で置換されていてもよい。R4bは、−C0〜5アルキレン−COOR4c、−C1〜6アルキル、−C0〜1アルキレン−CONH2、−C1〜2アルキレン−OH、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、1H−インドール−3−イル、ベンジル、およびヒドロキシベンジルから選択され、R4cは、Hまたは−C1〜4アルキルである。]
[0082] 一実施形態では、−C1〜12アルキレン−中の炭素原子は、置換されていない、すなわち、R4b基がない。別の実施形態では、1個の炭素原子は、1個のR4b基で置換されており、別の実施形態では、1個または2個の炭素原子は、1個または2個のR4b基で置換されている。一実施形態では、R4bは、−C0〜5アルキレン−COOR4cであり、R4cは、Hまたは−C1〜4アルキルである。このようなR4b基の例には、−COOH、−CH2COOH、−(CH2)2COOH、およびCH2COOCH3が含まれる。別の実施形態では、R4bは、−C1〜6アルキル、例えば−CH3または−CH(CH3)2である。一実施形態では、R4bは、−C0〜1アルキレン−CONH2、例えば−CH2−CONH2または−(CH2)2−CONH2である。さらに別の実施形態では、R4bは、−C1〜2アルキレン−OH、例えばCH2−OHである。一実施形態では、R4bは、1H−インドール−3−イル、ベンジル、またはヒドロキシベンジルである。]
[0083] さらに、X中の1個の−CH2−部分は、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、および−CH=CR4d−から選択される基で置き換えられていてもよい。R4dは、−CH2−チオフェンおよびフェニルから選択される。一実施形態では、−CH2−部分のどれも、このように置き換えられていない。別の実施形態では、X中の1個の−CH2−部分は、−C4〜8シクロアルキレン−、例えば、シクロへキシレンで置き換えられている。別の実施形態では、1個の−CH2−部分は、−CH=CR4d−で置き換えられており、R4dは、−CH2−チオフェン(−CH2−チオフェン−2−イルなど)である。]
[0084] R4a、R4b、R4c、およびR4d中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で置換されていてもよく、「アルキル」という用語には、例えば−C0〜5アルキレン−COOR4c中に存在するものなどの二価のアルキレン基が含まれることを意図する。R4b基、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル部分は、下記に示されるように、X−C1〜12アルキレン−鎖に結合によって連結している−C3〜7シクロアルキル、および鎖に直接結合している−C3〜7シクロアルキルが含まれることを意図することが注目される。]
[0085] 一実施形態では、1〜4個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、別の実施形態では、1個の−CH2−部分は置き換えられており、その例には、−C(O)NH−、−NHC(O)−、および−CH2−NHC(O)−が含まれる。一実施形態では、Xは、−C1〜6アルキレン−であり、1〜4個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、別の実施形態では、Xは、−C1〜4アルキレン−であり、1個または2個の−CH2−部分が置き換えられている。一実施形態では、Xは、−C1〜2アルキレン−であり、1個の−CH2−部分が置き換えられている。別の実施形態では、Xは、−C1アルキレン−であり、1個の−CH2−部分が置き換えられており、すなわち、Xは、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−、例えば、−C(O)−NH−である。−C1〜12アルキレン−中の複数の−CH2−部分が−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられているとき、置き換えられた部分は、近接しているか、または近接していなくてよい。特定の一実施形態では、置き換えられた部分は、近接している。例示的X基には、下記が含まれる。1個または複数の−CH2−部分が、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられている例、−CH2−部分が、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、および−CH=CR4d−から選択される基で置き換えられている例、ならびに−C1〜12アルキレン−基中の炭素原子が、1個または複数のR4b基で置換されている例、
1個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−
−NHC(O)−で置き換えられている−C1アルキレン−、
1個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−
−C(O)NH−CH2−
−CH2−C(O)NH−
−CH[CH(CH3)2]−C(O)NH−
−CH(COOH)−NHC(O)−
−CH(CH2COOH)−NHC(O)−
−CH[(CH2)2COOH]−NHC(O)−
−CH(CH2COOCH3)−NHC(O)−
−CH(CH3)−NHC(O)−
−CH(CH(CH3)2)−NHC(O)−
−CH(CH2−CONH2)−NHC(O)−
−CH[(CH2)2−CONH2]−NHC(O)−
−CH(CH2−OH)−NHC(O)−
−CH(ベンジル)−NHC(O)−
−CH(4−ヒドロキシベンジル)−NHC(O)−
−CH(1H−インドール−3−イル)−NHC(O)−で置き換えられている−C2アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−NHC(O)−
−CH=C(−CH2−チオフェニ−2−イル)−C(O)NH−で置き換えられている−C2アルキレン−、
1個の−CH2−部分が、
−(CH2)2−NHC(O)−
−(CH2)2−C(O)NH−
−CH(CH3)−CH2−NHC(O)−
−CH[CH(CH3)2]−CH2−NHC(O)−
−CH(COOH)−CH2−NHC(O)−
−CH2−CH(COOH)−NHC(O)−
−CH2−C(CH3)2−NHC(O)−で置き換えられている−C3アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C3アルキレン−、
1個の−CH2−部分が、
−(CH2)3−NHC(O)−
−C(O)NH−CH2−CH(COOH)−CH2−で置き換えられている−C4アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−CH(ベンジル)−CH2−NHC(O)−
−C(O)NH−CH(ベンジル)−CH2−C(O)NH−
−CH2−NHC(O)−CH2−NHC(O)−
−CH(ベンジル)−NHC(O)−CH2−NHC(O)−
−CH(1H−インドール−3−イル)−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C4アルキレン−、
3個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−
−CH2−N(OH)C(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C4アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−CH2−CH(COOH)−NHC(O)−
−CH2−NHC(O)−(CH2)2−NHC(O)−
−C(O)NH−(CH2)2−C(O)N(OH)−CH2−
−C(O)NH−(CH2)2−CH(COOH)−NHC(O)−
−CH(COOH)−CH2−NHC(O)−CH2−NHC(O)−
−(CH2)2−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−
−CH2−CH(COOH)−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C5アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)4−NHC(O)−
−CH2−NHC(O)−(CH2)2−CH(COOH)−NHC(O)−
−C(O)NH−(CH2)3−CH(COOH)−NHC(O)−で置き換えられている−C6アルキレン−、
3個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)2−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C6アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)2−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C6アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−(CH2)4−NHC(O)−
−C(O)NH−(CH2)4−CH(COOH)−NHC(O)−で置き換えられている−C7アルキレン−、
3個の−CH2−部分が、
−CH[CH(CH3)2]−C(O)NH−(CH2)2−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C7アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−(CH2)2−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−
−CH2−C(O)NH−(CH2)2−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)で置き換えられている−C7アルキレン−、
3個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)4−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C8アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)4−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C8アルキレン−、
2個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−(CH2)6−NHC(O)−で置き換えられている−C9アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−(CH2)4−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C9アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−C(O)NH−(CH2)6−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C10アルキレン−、
3個の−CH2−部分が、
−CH(CH(CH3)2)−C(O)NH−(CH2)6−NHC(O)−CH2−NHC(O)−で置き換えられている−C11アルキレン−、
4個の−CH2−部分が、
−CH2−NHC(O)−(CH2)6−NHC(O)−シクロへキシレン−NHC(O)−で置き換えられている−C11アルキレン−。]
[0086] 特定の一実施形態では、Xは、−C1〜6アルキレン−であり、1個または2個の−CH2−部分は、−NHC(O)−または−C(O)NH−で置き換えられており、別の実施形態では、Xは、−C1〜4アルキレン−であり、1個または2個の−CH2−部分は、置き換えられている。別の実施形態では、Xは、−C(O)NH−、−NHC(O)−、および−CH2−NHC(O)−から選択される。さらに別の実施形態では、Xは、−C(O)NH−である。]
[0087] R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOH、および−C0〜3アルキレン−S−SR5jから選択される。R5中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、「アルキル」という用語には、例えば、−C0〜3アルキレン−SR5aおよび−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f中に存在するものなどの、二価のアルキレン基が含まれることを意図する。R5中の各アリールおよびヘテロアリールは、1個から3個の−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、または−N(C1〜6アルキル)2基で置換されていてもよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で置換されていてもよい。R5中の「各アルキル」、「各アリール」および「各ヘテロアリール」基について言及するとき、この用語にはまた、R5a〜5j、R5aa、R5ab、R5ba、R5bb、R5bc、R5ca、R5da、R5db、R5ea、R5eb、R5ec、R5fa、およびR5fb部分中に存在し得る任意のアルキル、アリールおよびヘテロアリール基が含まれることが理解される。]
[0088] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aである。R5aは、Hまたは−C(O)−R5aaである。R5aa基は、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜6アルキレンアリール、−C0〜6アルキレンヘテロアリール、−C0〜6アルキレンモルホリン、−C0〜6アルキレンピペラジン−CH3、−CH[N(R5ab)2]−aaであり、aaは、アミノ酸側鎖、−2−ピロリジン、−C0〜6アルキレン−OR5ab、−OC0〜6アルキレンアリール、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C1〜6アルキル、C1〜2アルキレン−OC(O)−C0〜6アルキレンアリール、または−C1〜2アルキレン−OC(O)−OC1〜6アルキルである。R5ab基は、独立に、Hまたは−C1〜6アルキルである。特定の一実施形態では、R5aは、Hであり、例えば、R5は、−SHまたは−CH2SHでよい。別の実施形態では、R5aは、−C(O)−R5aa、およびR5aa−C1〜6アルキルである。例示的−C1〜6アルキル基には、−CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)2、−C(CH3)3、および−CH2CH(CH3)2が含まれる。したがって、R5の例には、−SC(O)CH3、−CH2SC(O)CH3、−CH2SC(O)CH2CH3、−CH2SC(O)CH(CH3)2、−CH2SC(O)C(CH3)3、および−CH2SC(O)CH2CH(CH3)2が含まれる。一実施形態では、R5aは、Hおよび−C(O)−C1〜6アルキルから選択される。]
[0089] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキルである。例示的C3〜7シクロアルキル基には、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。したがって、R5の例には、−CH2SC(O)−シクロペンチル、−CH2SC(O)−シクロヘキシル、および−CH2SC(O)−CH2−シクロペンチルが含まれる。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレンアリールである。特定の一実施形態では、アリールは、−O−C1〜6アルキルなどの1〜3個の置換基で任意選択で置換されている。例示的アリール基には、フェニルおよび−フェニル−OCH3が含まれる。したがって、R5の例には、−CH2SC(O)−フェニルおよび−CH2SC(O)−フェニル−OCH3が含まれる。さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレンヘテロアリールである。例示的ヘテロアリール基には、フラニル、チエニルおよびピリジニルが含まれる。したがって、R5の例には、−CH2SC(O)−2−ピリジン、−CH2SC(O)−3−ピリジン、および−CH2SC(O)−4−ピリジンが含まれる。]
[0090] 別の実施形態では、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレンモルホリン:]
[0091] であり、より特定すると、−C(O)−C1〜3アルキレンモルホリンである。したがって、R5の例には、−CH2S−C(O)CH2−モルホリンおよび−CH2S−C(O)(CH2)2−モルホリンが含まれる。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレンピペラジン−CH3である。したがって、R5の例には、−CH2S−C(O)(CH2)2−ピペラジン−CH3が含まれる。]
[0092] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−CH[N(R5ab)2]−aaであり、aaは、アミノ酸側鎖である。例えば、アミノ酸側鎖は、−CH(CH3)2(バリン側鎖)、−CH2CH(CH3)2(ロイシン側鎖)、−CH(CH3)CH2CH3(イソロイシン側鎖)、−CH2COOH(アスパラギン酸側鎖)、−(CH2)2COOH(グルタミン酸側鎖)、−CH(OH)(CH3)(スレオニン側鎖)、−ベンジル(フェニルアラニン側鎖)、−4−ヒドロキシベンジル(チロシン側鎖)、および−(CH2)2SCH3(メチオニン側鎖)でよい。したがって、R5の例には、−CH2S−C(O)−CH(NH2)−CH(CH3)2、−CH2SC(O)CH(NH2)−CH2CH(CH3)2、−CH2SC(O)CH(NH2)−CH(CH3)CH2CH3、−CH2SC(O)CH(NH2)−CH2COOH、−CH2SC(O)CH(NH2)−(CH2)2COOH、−CH2SC(O)CH(NH2)−CH(OH)(CH3)、−CH2SC(O)−CH(NH2)−ベンジル、−CH2SC(O)CH(NH2)−4−ヒドロキシベンジル、および−CH2SC(O)CH(NH2)−(CH2)2SCH3が含まれる。]
[0093] さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−2−ピロリジン:]
[0094] である。したがって、R5の例は、−CH2S−C(O)−2−ピロリジンである。]
[0095] さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C0〜6アルキレン−OR5abである。一実施形態では、R5abは、Hであり、R5aは、−C(O)−C0〜6アルキレン−OHである。別の実施形態では、R5abは、−C1〜6アルキルであり、R5aは、−C(O)−C0〜6アルキレン−OC1〜6アルキルであり、例えば、R5は、−CH2SC(O)−OCH2CH3でよい。さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−OC0〜6アルキレンアリールである。さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C1〜6アルキルであり、別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C0〜6アルキレンアリールであり、さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aであり、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−O−C1〜2アルキレン−OC(O)−OC1〜6アルキルであり、例えば、R5は、−CH2SC(O)O−CH(CH3)OC(O)OCH(CH3)2である。]
[0096] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cである。R5b部分は、H、−OH、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcである。R5baは、H、−C1〜6アルキル、アリール、−OCH2−アリール(例えば、−OCH2−フェニル)、−CH2O−アリール(例えば、−CH2O−フェニル)、または−NR5bbR5bcである。R5bbおよびR5bc部分は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択される。一実施形態では、R5bは、−OHまたは−OC(O)R5baであり、−R5baは、−C1〜6アルキルである。R5cは、H、−C1〜6アルキル、または−C(O)−R5caであり、R5caは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5cは、Hである。特定の一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bは、−OHであり、R5cは、Hであり、例えば、R5は、−C(O)N(OH)Hまたは−CH2C(O)N(OH)Hでよい。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bは、−OC(O)R5baであり、R5baは、−C1〜6アルキルであり、R5cは、Hである。したがって、R5の例には、−C(O)N[OC(O)CH3]Hおよび−C(O)N[OC(O)C(CH3)3]Hが含まれる。さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bおよびR5cの両方はHであり、例えば、R5は、−C(O)NH2でよい。さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bは、−OC(O)R5baであり、R5baは、−OCH2−アリールまたは−CH2O−アリールであり、R5cは、Hである。したがって、R5の例には、−CH2−C(O)NH[OC(O)OCH2−フェニル]および−CH2−C(O)N[OC(O)CH2O−フェニル]Hが含まれる。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bは、−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5bbおよびR5bcは、両方とも−C1〜4アルキルであり、R5cは、Hであり、例えば、R5は、−CH2−C(O)N[OC(S)N(CH3)2]Hでよい。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cであり、R5bは、−CH2COOHであり、R5cは、Hであり、例えば、R5は、−C(O)NH−(CH2COOH)でよい。]
[0097] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5dである。R5d部分は、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−NR5daR5db、−CH2SH、または−O−C1〜6アルキルである。R5daおよびR5db部分は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択される。一実施形態では、R5bは、−OHであり、R5dは、Hであり、例えば、R5は、−CH2−N(OH)C(O)Hでよく、別の実施形態では、R5bは、−OHであり、R5dは、−C1〜4アルキルであり、例えば、R5は、−CH2−N(OH)C(O)CH3でよい。別の実施形態では、R5bは、Hであり、R5dは、−CH2SHであり、例えば、R5は、−C0〜1アルキレン−NHC(O)CH2SH、例えば、−NHC(O)CH2SHまたは−CH2NHC(O)−CH2SHでよい。]
[0098] さらに別の実施形態では、R5は、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2である。R5e部分は、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)−O−C(O)R5ea、]
[0099] である。R5ea基は、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR5ebR5ec、または−CH(NH2)CH2COOCH3である。R5ebおよびR5ecは、H、−C1〜4アルキル、および−C1〜3アルキレンアリール(例えば、ベンジル)から独立に選択される。R5ebおよびR5ecはまた、一緒になって−(CH2)3〜6−を形成し得る。一実施形態では、R5eは、Hであり、例えば、R5は、−NH−CH2−P(O)(OH)2でよい。]
[0100] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5fである。R5f部分は、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレン−NR5faR5fb、または−C1〜3アルキレン(アリール)−C0〜3アルキレン−NR5faR5fbである。R5faおよびR5fb基は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択される。一実施形態では、R5eは、Hであり、例えば、R5は、−C0〜3アルキレン−P(O)(OH)R5fでよい。]
[0101] 一実施形態では、R5は、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOHである。R5g部分は、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、または−CH2−O−(CH2)2−OCH3である。一実施形態では、R5gは、−CH2−O−(CH2)2−OCH3であり、例えばR5は、−CH2−CH−[CH2−O−(CH2)2−OCH3]−COOHでよい。別の実施形態では、R5gは、Hであり、例えばR5は、−CH2COOHでよい。]
[0102] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOHである。R5h部分は、Hまたは−C1〜4アルキルである。R5i部分は、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜3アルキレンアリールである。一実施形態では、R5hは、Hであり、R5iは、−C0〜3アルキレンアリールであり、アリールは、−OHなどの1〜3個の置換基で任意選択で置換されており、例えば、R5は、−C(O)NH−CH(CH2−フェニル−OH)(COOH)でよい。]
[0103] 別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−S−SR5jであり、R5j部分は、−C1〜6アルキル、アリール、または−CH2CH(NH2)COOHである。このようなR5基の例には、−C0〜3アルキレン−S−S−CH3、−C0〜3アルキレン−S−S−フェニル、および−C0〜3アルキレン−S−S−CH2CH(NH2)−COOHが含まれる。]
[0104] R6は、−C1〜6アルキル、−CH2O(CH2)2OCH3、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C0〜3アルキレンヘテロアリール、および−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択される。特定の一実施形態では、R6は、−C1〜6アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択される。R6中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、「アルキル」という用語には、例えば、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルおよび−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル中に存在するものなどの二価のアルキレン基が含まれることを意図する。さらに、R6中の各アリールおよびヘテロアリールは、1個から3個の−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、または−N(C1〜6アルキル)2基で置換されていてもよい。さらに、上記のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基の各々は、1〜5個のフルオロ原子で置換されていてもよい。]
[0105] 一実施形態では、R6は、−C1〜6アルキル、例えば、−CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)2、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、−(CH2)2CH(CH3)2、および−(CH2)4CH3である。上で述べたように、R6中の各アルキルは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。このようなフルオロ置換R6基の例には、−(CH2)2CF3および−(CH2)3CF3が含まれる。]
[0106] 別の実施形態では、R6は、−CH2O(CH2)2OCH3である。また別の一実施形態では、R6は、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、例えば、−OCH3および−CH2OCH3である。]
[0107] 一実施形態では、R6は、−C0〜3アルキレンアリール、例えば、フェニル、ベンジル、−CH2−ビフェニル、−(CH2)2−フェニルおよび−CH2−ナフタレン−1−イルである。アリールは、1〜3個の置換基で置換されていてもよい。したがって、R6の他の例には、一置換基(メチルベンジル、クロロベンジル、フルオロベンジル、フルオロフェニル、ブロモベンジル、ヨードベンジル、−ベンジル−CF3、2−トリフルオロメチル−ベンジル、−ベンジル−CN、および−ベンジル−NO2など)、ならびに二置換基(ジクロロベンジルおよびジフルオロベンジルなど)が含まれる。各アリールはまた、1〜7個のフルオロ原子で置換されていてもよい。したがって、R6の他の例には、ペンタ−フルオロベンジルが含まれる。]
[0108] 特定の一実施形態では、R6は、−C1〜6アルキルおよび−C0〜3アルキレンアリール(例えば、ベンジル)から選択される。]
[0109] 一実施形態では、R6は、−C0〜3アルキレンヘテロアリール、例えば、−CH2−ピリジル、−CH2−フラニル、−CH2−チエニル、および−CH2−チオフェニルである。別の実施形態では、R6は、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、例えば、−CH2−シクロプロピル、シクロペンチル、−CH2−シクロペンチル、−シクロヘキシル、および−CH2−シクロヘキシルである。]
[0110] R7は、Hであり、またはR6と一緒になって−C3〜8シクロアルキルを形成する。一実施形態では、R7は、Hである。別の実施形態では、R7は、R6と一緒になって−C3〜8シクロアルキル、例えばシクロペンチルを形成する。]
[0111] 本発明の特定の一実施形態は、式Iの活性化合物を提供し、Ar**−COOHは、Ar−R1を表し、R5は、−C0〜3アルキレン−SHである。1つの相当するプロドラッグ(プロドラッグA)は、チオエステル結合を含有することができる、これはインビボで切断されて、−COOH(R1)および−C0〜3アルキレン−SH(R5)部分を形成することができる。別の相当するプロドラッグ(プロドラッグB、Zは、ヒドロキシル、フェニル、カルボキシルなどの1個または複数の部分で任意選択で置換されている−C1〜6アルキレンである)は、エステルおよびチオエステル基の両方を含有し、これは同様にインビボで切断することができるが、それはまた生理学的に許容される酸(α−ヒドロキシ酸(Zは−CH2−である)、β−ヒドロキシ酸(Zは−(CH2)2−である)、(R)−2−ヒドロキシプロピオン酸または乳酸(Zは−CH(CH3)−である)、(R)−ヒドロキシフェニル酢酸またはマンデル酸(Zは−CH(フェニル)−である)、サリチル酸(Zは−フェニレン−である)、2,3−ジヒドロキシコハク酸または酒石酸(Zは−CH[CH(OH)(COOH)]−である)、クエン酸(Zは−C[CH2COOH]2−である)、ヒドロキシビスおよびヒドロキシトリス酸など)を放出する。]
[0112] また別の相当するプロドラッグ(プロドラッグC)は、プロドラッグAの二量体形態であり、したがって2つのチオエステル結合を含有し、これは両方ともインビボで切断されて、各々が−COOH(R1)および−C0〜3アルキレン−SH(R5)部分を含有する2つ活性部分を形成することができる。]
[0113] 本発明の別の実施形態は、式Iの活性化合物を提供し、R5は、−C0〜3アルキレン−SHであり、プロドラッグ(プロドラッグD)は、化合物の二量体形態である。]
[0114] 特定の一実施形態では、式Iの化合物は、式Ia、Ib、またはIcにおいて具体化されている種であり、]
[0115] 式中、Ar、r、n、R2、R2’、R3、X、およびR5〜7は、式Iについて定義されている通りである。]
[0116] 特定の一実施形態では、式Iの化合物は、式IIにおいて具体化されている種であり、]
[0117] 式中、Arは、]
[0118] から選択されるアリール基であり、
R1は、−COOHおよびテトラゾール−5−イルから選択され、nは0であり、またはnは1であり、R2は、−C1〜6アルキルであり、R2’は、Hおよび−C(O)−C1〜6アルキルから選択され、R3は、−C1〜10アルキルおよび−C0〜5アルキレン−O−C1〜5アルキレン−Hから選択され、Xは、−C1〜2アルキレン−であり、アルキレン中の1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aは、H、−OH、および−C1〜4アルキルから選択され、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aおよび−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cから選択され、R5aは、Hおよび−C(O)−C1〜6アルキルから選択され、R5bは、H、−OH、および−OC(O)−C1〜6アルキルから選択され、R5cは、Hおよび−C1〜6アルキルから選択され、R6は、−C1〜6アルキルおよび−C0〜3アルキレンアリールから選択される。これらの部分のいずれかは、式Iの説明に記載されているように任意選択で置換されていてもよい。]
[0119] 特定の一実施形態では、式IIの化合物は、式IIa、IIb、またはIIcにおいて具体化されている種であり、]
[0120] 式中、Ar、n、R2、R2’、R3、およびR5〜6は、式IIについて定義されている通りである。]
[0121] 特定の一実施形態では、Xは、−C(O)−NH−である。別の態様では、この実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0122] 他の特定の実施形態では、R1は、−COOH、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−O−CH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、]
[0123] から選択され、式中、R1b、R1c、R1d、およびR1eは、式Iについて定義されている通りである。特定の一実施形態では、R1は、−COOR1a、−SO2NHR1d、およびテトラゾール−5−イルから選択される。別の実施形態では、R1は、−COOH、−SO2NHC(O)−C1〜6アルキル、およびテトラゾール−5−イルから選択される。別の態様では、この実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0124] 特定の一実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、]
[0125] であり、式中、R1aaは、式Iについて記載した通りである。本発明の一態様では、これらの化合物は、本明細書に記載されている合成手順においてプロドラッグとしてまたは中間体として特定の有用性を見出し得る。特定の一実施形態では、R1は、−COO−C1〜6アルキルである。別の態様では、これらの実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0126] 一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、および−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOHから選択され、R5aは、Hであり、R5bは、−OHであり、R5cは、Hであり、R5dは、Hであり、R5eは、Hであり、R5f、R5g、R5h、R5iは、式Iについて定義されている通りである。より特定すると、一実施形態では、R5は、−C0〜1アルキレン−SH、−C0〜1アルキレン−C(O)−N(OH)H、および−C0〜3アルキレン−N(OH)−C(O)Hから選択される。別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aおよび−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cから選択され、R5aは、Hであり、R5bは、−OHである。特定の一実施形態では、R5cは、Hである。別の態様では、この実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0127] さらに別の実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、および−C0〜3アルキレン−S−SR5jから選択され、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5bは、H、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5eは、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)−O−C(O)R5ea、]
[0128] であり、式中、R5aa、R5ba、R5bb、R5bc、R5c、R5d、R5ea、R5f、およびR5jは、式Iについて定義されている通りである。本発明の一態様では、これらの化合物は、本明細書に記載されている合成手順においてプロドラッグとしてまたは中間体として特定の有用性を見出し得る。別の態様では、これらの実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0129] 特定の一実施形態では、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aおよび−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cから選択され、R5aは、Hおよび−C(O)−C1〜6アルキルから選択され、R5bは、H、−OH、および−OC(O)−C1〜6アルキルから選択され、R5cは、Hおよび−C1〜6アルキルから選択される。別の態様では、この実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0130] 別の実施形態では、R1は、−COOR1aから選択され、R1aは、H、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−O−CH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、]
[0131] であり、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、および−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、および−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOHから選択され、R5aは、Hであり、R5bは、−OHであり、R5cは、Hであり、R5dは、Hであり、R5eは、Hであり、R5f、R5g、R5h、R5iは、式Iについて定義されている通りである。特定の一実施形態では、R1は、−COOH、−SO2NHR1d、およびテトラゾール−5−イルから選択され、R5は、−C0〜3アルキレン−SH、および−C0〜3アルキレン−C(O)N(OH)Hから選択される。別の態様では、これらの実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0132] 別の実施形態では、R1は、−COOR1aであり、R1aは、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、]
[0133] であり、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、および−C0〜3アルキレン−S−SR5jから選択され、R5aは、−C(O)−R5aaであり、R5bは、H、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5eは、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)−O−C(O)R5ea、]
[0134] であり、式中、R5aa、R5ba、R5bb、R5bc、R5c、R5d、R5ea、R5f、およびR5jは、式Iについて定義されている通りである。別の態様では、この実施形態は、式Ia、Ib、Ic、II、IIa、IIb、またはIIcを有する。]
[0135] 式Iの化合物の特定の群は、2007年12月11日に出願された米国特許仮出願第61/007,129号に開示されているものである。この群には、式(I’)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれ、]
[0136] 式中、rは、0、1または2であり、Ar’は、]
[0137] から選択されるアリール基であり、R1’は、−COOR1a、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−OCH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、]
[0138] から選択され、R1aは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1a’、−C0〜6アルキレンモルホリン]
[0139] であり、R1a’は、−O−C1〜6アルキル、−O−シクロアルキル、−NR1a’’R1a’’’、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R1a’’およびR1a’’’は、H、−C1〜6アルキル、およびベンジルから独立に選択され、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R1bは、R1cまたは−NHC(O)R1cであり、R1cは、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−O−R1c’、−C1〜5アルキレン−NR1c’’R1c’’’、または−C0〜4アルキレンアリールであり、R1c’は、H、−C1〜6アルキル、または−O−C1〜6アルキルであり、R1c’’およびR1c’’’は、Hおよび−C1〜6アルキルから独立に選択され、あるいは−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になり、R1dは、H、R1c、−C(O)R1c、または−C(O)NHR1cであり、R1eは、−C1〜4アルキルまたはアリールであり、nは、0、1、2または3であり、各R2’は、−CH2OH、ハロ、−NO2、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C3〜6シクロアルキル、−CN、−C(O)R2a、−C0〜5アルキレン−OR2b、−C0〜5アルキレン−NR2cR2d、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレンヘテロアリールから独立に選択され、R2aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜6シクロアルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−OR2b、または−NR2cR2dであり、R2bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜6シクロアルキル、または−C0〜1アルキレンアリールであり、R2cおよびR2dは、H、−C1〜4アルキル、および−C0〜1アルキレンアリールから独立に選択され、R2’’は、HおよびR2から選択され、R3’は、−C1〜10アルキル、−C2〜10アルケニル、−C3〜10アルキニル、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルケニレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルキニレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜5アルキレン−NR3a−C0〜5アルキレン−R3b、−C0〜5アルキレン−O−C0〜5アルキレン−R3b、−C1〜5アルキレン−S−C1〜5アルキレン−R3b、および−C0〜3アルキレンアリールから選択され、R3aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜6シクロアルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R3bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜6シクロアルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、またはアリールであり、X’は、−C1〜12アルキレン−であり、アルキレン中の少なくとも1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aは、H、−OH、および−C1〜4アルキルから選択され、R5’は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOHおよび−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOHから選択され、R5aは、Hまたは−C(O)−R5a’であり、R5a’は、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜6アルキレンアリール、−C0〜6アルキレンヘテロアリール、−C0〜6アルキレンモルホリン、−C0〜6アルキレンピペラジン−CH3、−CH(NH2)−aaであり、aaは、アミノ酸側鎖、−2−ピロリジン、−C0〜6アルキレン−OR5a’’、−OC0〜6アルキレンアリール、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C1〜6アルキル、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C0〜6アルキレンアリール、または−C1〜2アルキレン−OC(O)−OC1〜6アルキルであり、R5a’’は、Hまたは−C1〜6アルキルであり、R5bは、H、−OH、−OC(O)R5b’、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5b’’R5b’’’であり、R5b’は、−C1〜6アルキル、−OCH2−アリール、−CH2O−アリール、または−NR5b’’R5b’’’であり、R5b’’およびR5b’’’は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択され、R5cは、H、−C1〜6アルキル、または−C(O)−R5c’であり、R5c’は、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R5dは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−NR5d’R5d’’、−CH2SH、または−O−C1〜6アルキルであり、R5d’およびR5d’’は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択され、R5eは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)OC(O)R5e’、]
[0140] であり、R5e’は、−O−C1〜6アルキル、−O−シクロアルキル、−NR5e’’R5e’’’、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R5e’’およびR5e’’’は、H、−C1〜4アルキル、および−C1〜3アルキレンアリールから独立に選択され、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R5fは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレン−NR5f’R5f’’、または−C1〜3アルキレン(アリール)−C0〜3アルキレン−NR5f’R5f’’であり、R5f’およびR5f’’は、Hおよび−C1〜4アルキルから独立に選択され、R5gは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、または−CH2−O−(CH2)2−OCH3であり、R5hは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5iは、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R6’は、−C1〜6アルキル、−CH2O(CH2)2OCH3、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C0〜3アルキレンヘテロアリール、および−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、R7’は、Hであり、またはR6と一緒になって−C3〜8シクロアルキルを形成し、−(CH2)r−中の各−CH2−基は、−C1〜4アルキルおよびフルオロから独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換されており、X中のアルキレン部分中の各炭素原子は、1個または複数のR4b基で任意選択で置換されており、X中の1個の−CH2−部分は、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、および−CH=CR4d−から選択される基で置き換えられていてもよく、R4bは、−C0〜5アルキレン−COOR4c、−C1〜6アルキル、−C0〜1アルキレン−CONH2、−C1〜2アルキレン−OH、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、1H−インドール−3−イル、ベンジル、およびヒドロキシベンジルから選択され、R4cは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R4dは、−CH2−チオフェンおよびフェニルから選択され、R1、R2、R2’、R3、R4a〜4d、およびR5〜6中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、Ar中の各環、ならびにR1、R2、R2’、R3、およびR5〜6中の各アリールは、−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキルおよび−N(C1〜6アルキル)2から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されており、各アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜5個のフルオロ原子で任意選択で置換されている。]
[0141] さらに、対象とする式Iの特定化合物には、下記の実施例において記載されているもの、および薬学的に許容されるその塩が含まれる。]
[0142] 定義
本発明の化合物、組成物、方法および工程を記述するときに、下記の用語は、他に示さない限り下記の意味を有する。さらに、本明細書において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」には、使用する状況がそれ以外のことを明らかに示さない限り相当する複数形が含まれる。「含む」、「含まれる」および「有する」という用語は、包括的であることを意図し、一覧表示された要素以外のさらなる要素があり得ることを意味する。本明細書において使用されている成分の量、特性(分子量、反応条件など)などを表す全ての数字は、他に示さない限り「約」という用語によって全ての場合に修飾されていることが理解される。したがって、本明細書において記載されている数字は、本発明によって得ようとしている所望特性によって変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等の原則の適用を限定する試みとしてではなく、各数字は、報告された有効数字を踏まえて、通常の丸めの技術を適用することによって少なくとも解釈すべきである。]
[0143] 「アルキル」という用語は、直鎖状または分岐状でよい一価の飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなアルキル基は典型的には、1〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C1〜4アルキル、−C1〜6アルキル、および−C1〜10アルキルが含まれる。代表的なアルキル基には、例示として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが含まれる。]
[0144] 本明細書において使用される特定の用語について炭素原子の特定の数が意図されているとき、炭素原子の数は、下付き数字として用語に先行して示される。例えば、各々「−C1〜6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、「−C3〜7シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、炭素原子は任意の許容される配置にある。]
[0145] 「アルキレン」という用語は、直鎖状または分岐状でよい二価の飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなアルキレン基は典型的には、0〜12個の炭素原子を含有し、例えば、−C0〜1アルキレン−、−C0〜2アルキレン−、−C0〜3アルキレン−、−C0〜5アルキレン−、−C0〜6アルキレン−、−C1〜2アルキレン−および−C1〜12アルキレン−が含まれる。代表的なアルキレン基には、例示として、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが含まれる。アルキレンという用語に−C0〜1アルキレン−または−C0〜3アルキレン−などの0個の炭素が含まれるとき、このような用語には、炭素原子がないことを含まれることを意図し、すなわち、アルキレンという用語によって分離されている基を結合する共有結合を除いてアルキレン基が存在しないことが理解される。]
[0146] 「アルキルチオ」という用語は、式−S−アルキルの一価の基を意味し、アルキルは本明細書に定義されている通りである。別段の定義がない限り、このようなアルキルチオ基は典型的には、2〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−S−C1〜4アルキルおよび−S−C1〜6アルキルが含まれる。代表的なアルキルチオ基には、例示として、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、s−ブチルチオおよびt−ブチルチオが含まれる。]
[0147] 「アルケニル」という用語は、直鎖状または分岐状でよく、少なくとも1個、典型的には1個、2個または3個の炭素−炭素二重結合を有する一価の不飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなアルケニル基は典型的には、2〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C2〜4アルケニルおよび−C2〜10アルケニルが含まれる。代表的なアルケニル基には、例示として、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブタ−2−エニル、n−ヘキス−3−エニルなどが含まれる。「アルケニレン」という用語は、二価のアルケニル基を意味し、−C2〜3アルケニレン−などの基が含まれる。]
[0148] 「アルコキシ」という用語は、式−O−アルキルの一価の基を意味し、アルキルは本明細書に定義されている通りである。別段の定義がない限り、このようなアルコキシ基は典型的には、2〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−O−C1〜4アルキルおよび−O−C1〜6アルキルが含まれる。代表的なアルコキシ基には、例示として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシなどが含まれる。]
[0149] 「アルキニル」という用語は、直鎖状または分岐状でよく、少なくとも1個、典型的には1個、2個または3個の炭素−炭素三重結合を有する一価の不飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなアルキニル基は典型的には、2〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C2〜4アルキニルおよび−C3〜10アルキニルが含まれる。代表的なアルキニル基には、例示として、エチニル、n−プロピニル、n−ブタ−2−イニル、n−ヘキス−3−イニルなどが含まれる。「アルキニレン」という用語は、二価のアルキニル基を意味し、−C2〜3アルキニレン−などの基が含まれる。]
[0150] アミノ酸残基は、−C(O)−CHR−NH−として示されることが多く、R部分は「アミノ酸側鎖」と称される。したがって、アミノ酸バリン、HO−C(O)−CH[−CH(CH3)2]−NH2について、側鎖は−CH(CH3)2である。「アミノ酸側鎖」という用語は、20種の一般の天然アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン)の側鎖を含めることを意図する。特に重要なのは、イソロイシン、ロイシン、およびバリンなどの非極性アミノ酸の側鎖である。]
[0151] 「アリール」という用語は、単一の環(例えば、フェニル)または縮合環を有する一価の芳香族炭化水素を意味する。縮合環系には、完全不飽和であるもの(例えば、ナフタレン)、および部分不飽和であるもの(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)が含まれる。別段の定義がない限り、このようなアリール基は典型的には、6〜10個の炭素環原子を含有し、例えば、−C6〜10アリールが含まれる。代表的なアリール基には、例示として、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イルなどが含まれる。「アリーレン」という用語は、フェニレンなどの二価のアリール基を意味する。]
[0152] 「シクロアルキル」という用語は、一価の飽和炭素環式炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、このようなシクロアルキル基は典型的には、3〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C3〜5シクロアルキル、−C3〜6シクロアルキルおよび−C3〜7シクロアルキルが含まれる。代表的なシクロアルキル基には、例示として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。「シクロアルキレン」という用語は、−C4〜8シクロアルキレンなどの二価のアリール基を意味する。]
[0153] 「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。]
[0154] 本明細書において使用する場合、「式を有する」または「構造を有する」という句は限定的なものではなく、「含む」という用語が一般に使用されているのと同様に使用される。]
[0155] 「ヘテロアリール」という用語は、単一の環または2個の縮合環を有し、環(複数可)中に窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(典型的には1〜3個のヘテロ原子)を含有する一価の芳香族基を意味する。別段の定義がない限り、このようなヘテロアリール基は典型的には、全5〜10個の環原子を含有し、例えば、−C2〜9ヘテロアリールが含まれる。代表的なヘテロアリール基には、例示として、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどの一価の種が含まれ、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素環原子にある。]
[0156] 「任意選択で置換されている」という用語は、問題の基が非置換であっても、または1回または数回(1〜3回もしくは1〜5回など)置換されていてもよいことを意味する。例えば、1〜5個のフルオロ原子で「任意選択で置換されている」アルキル基は、非置換であってもよく、または1個、2個、3個、4個、もしくは5個のフルオロ原子を含有してもよい。]
[0157] 「薬学的に許容される」という用語は、本発明において使用されるとき、生物学的にまたはその他の点で許容されないことはない材料を意味する。例えば、「薬学的に許容される担体」という用語は、許容されない生物学的作用をもたらさず、または組成物の他の成分と許容されない態様で相互作用せずに、組成物中に組み込むことができ、患者に投与することができる材料を意味する。このような薬学的に許容される材料は典型的には、毒性試験および製造試験の必要とされる基準を満たしており、米国食品医薬品局による適切な非活性成分として同定されているそれらの材料が含まれる。]
[0158] 「薬学的に許容される塩」という用語は、哺乳動物などの患者への投与のために許容される塩基または酸から調製される塩(例えば、投与計画について哺乳動物にとって許容される安全性を有する塩)を意味する。しかし、本発明によって包含される塩は、患者に投与することを意図しない中間化合物の塩など、薬学的に許容される塩である必要はないことが理解される。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基に、および薬学的に許容される無機塩または有機酸に由来することができる。さらに、式Iの化合物が、塩基性部分(アミン、ピリジンまたはイミダゾールなど)、および酸性部分(カルボン酸またはテトラゾールなど)の両方を含有するとき、双性イオンが形成されることがあり、本明細書において使用する場合「塩」という用語内に含められる。薬学的に許容される無機塩基に由来する塩には、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、および亜鉛塩などが含まれる。薬学的に許容される有機塩基に由来する塩には、置換アミン、環状アミン、天然アミンなど(アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン(piperazine)、ピペラジン(piperadine)、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなど)を含めた第一級、第二級および第三級アミンの塩が含まれる。薬学的に許容される無機酸に由来する塩には、ホウ酸、炭酸、ハロゲン化水素酸(臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸またはヨウ化水素酸)、硝酸、リン酸、スルファミン酸および硫酸の塩が含まれる。薬学的に許容される有機酸に由来する塩には、脂肪族ヒドロキシル酸(例えば、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、ラクトビオン酸、リンゴ酸、および酒石酸)、脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、酪酸、ギ酸、プロピオン酸およびトリフルオロ酢酸)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸)、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、p−クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸、ゲンチシン酸、馬尿酸、およびトリフェニル酢酸)、芳香族ヒドロキシル酸(例えば、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸および3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸)、アスコルビン酸、ジカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸およびコハク酸)、グルクロン酸、マンデル酸、粘液酸、ニコチン酸、オロト酸、パモ酸、パントテン酸、スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、カンホスルホン酸、エジシル酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、メタンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸)、キシナホ酸などの塩が含まれる。]
[0159] 本明細書において使用する場合、「プロドラッグ」という用語は、生理条件下で、例えば、通常の代謝過程によって体内でその活性形態に変換される薬物の不活性(または有意により活性でない)前駆体を意味することを意図する。この用語はまた、最後の脱保護ステップの前に作製し得る式Iの化合物の特定の保護された誘導体を含めることを意図する。このような化合物は、AT1および/またはNEPにおいて薬理活性を有し得ないが、経口または非経口で投与され、その後体内で代謝され、AT1および/またはNEPにおいて薬理学的に活性である本発明の化合物を形成し得る。したがって、式Iの化合物の全ての保護された誘導体およびプロドラッグは、本発明の範囲内に含められる。遊離カルボキシル、スルフヒドリルまたはヒドロキシ基を有する式Iの化合物のプロドラッグは、当技術分野で周知である技術によって容易に合成することができる。次いで、これらのプロドラッグ誘導体は、加溶媒分解によってまたは生理条件下で変換されて、遊離カルボキシル、スルフヒドリルおよび/またはヒドロキシ化合物となる。例示的プロドラッグには、エステル(C1〜6アルキルエステルおよびアリール−C1〜6アルキルエステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステルを含めた)、スルホキシド、アミド、カルバメート、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、ケタール、およびジスルフィドが含まれる。一実施形態では、式Iの化合物は、遊離スルフヒドリルまたは遊離カルボキシルを有し、プロドラッグはエステル誘導体である。]
[0160] 「その保護された誘導体」という用語は、化合物の1個または複数の官能基が、保護基または封鎖基によって望ましくない反応が起こることから保護または遮断されている特定の化合物の誘導体を意味する。保護し得る官能基には、例示として、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基などが含まれる。代表的な保護基には、カルボキシ基については、エステル(p−メトキシベンジルエステルなど)、アミドおよびヒドラジド;アミノ基については、カルバメート(t−ブトキシカルボニルなど)およびアミド;ヒドロキシル基については、エーテルおよびエステル;チオール基については、チオエーテルおよびチオエステル;カルボニル基については、アセタールおよびケタールなどが含まれる。このような保護基は当業者には周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New York、1999年、およびそこに引用されている参考文献に記載されている。]
[0161] 「溶媒和物」という用語は、溶質の1種もしくは複数の分子、例えば、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、および溶媒の1種もしくは複数の分子によって形成される複合体または凝集物を意味する。このような溶媒和物は典型的には、実質的に固定されたモル比の溶質および溶媒を有する結晶性固体である。代表的な溶媒には、例示として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが含まれる。溶媒が水であるとき、形成される溶媒和物は水和物である。]
[0162] 「治療有効量」という用語は、それを必要としている患者に投与されたときに治療をもたらすのに十分な量、すなわち、所望の治療効果を得るのに必要とされる薬物の量を意味する。例えば、高血圧を治療するための治療有効量は、例えば、高血圧の症状を減少、抑制、除去もしくは予防し、または高血圧の根本にある原因を治療するのに必要とされる化合物の量である。一実施形態では、治療有効量は、血圧を下げるのに必要なその量、または正常な血圧を維持するのに必要な量である。他方、「有効量」という用語は、必ずしも治療結果ではないことがある所望の結果を得るのに十分な量を意味する。例えば、AT1受容体を含む系を研究するときに、「有効量」は、受容体を拮抗するのに必要な量であり得る。]
[0163] 「治療する」または「治療」という用語は、本明細書において使用する場合、下記の1つまたは複数を含む、哺乳動物(特に、ヒト)などの患者において疾患または医学的状態(高血圧など)を治療することまたは治療を意味する。(a)疾患または医学的状態が起こることを予防すること(患者の予防的治療によるなど)、(b)疾患または医学的状態を寛解すること(患者において疾患または医学的状態の除去または後退をもたらすことによるなど);(c)疾患または医学的状態を抑制すること(患者において疾患または医学的状態の発症を緩徐化または抑止することによるなど);あるいは(d)患者において疾患または医学的状態の症状を緩和すること。例えば、「高血圧を治療する」という用語には、高血圧が起こることを予防し、高血圧を寛解し、高血圧を抑制し、高血圧の症状を緩和する(例えば、血圧を下げる)ことが含まれる。「患者」という用語には、疾患の予防または特定の疾患もしくは医学的状態の治療のために現在治療されている、治療または疾患の予防を必要としているヒトなどのそれらの哺乳動物、および本発明の化合物がアッセイにおいて評価または使用される試験対象、例えば動物モデルが含まれることを意図する。]
[0164] 本明細書において使用される全ての他の用語は、それらが関係する当業者によって理解されるようなそれらの通常の意味を有することを意図する。]
[0165] 一般の合成手順
本発明の化合物は、下記の一般法、実施例に記載された手順を使用して、または当業者には公知の他の方法、試薬、および出発物質を使用することによって、容易に利用可能な出発物質から調製することができる。下記の手順は、本発明の特定の実施形態を例示し得るが、本発明の他の実施形態は、同じもしくは同様の方法を使用して、または当業者には公知の他の方法、試薬および出発物質を使用することによって、同様に調製することができることが理解される。典型的または好ましい工程条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が所与である場合、特に明記しない限り、他の工程条件もまた使用することができることはまた理解されるであろう。最適な反応条件は、様々な反応パラメーター(使用する特定の反応物、溶媒および量など)によって典型的には変化する一方、当業者は、通常の最適化手順を使用して適切な反応条件を容易に決定することができる。]
[0166] さらに、当業者であれば明らかであろうように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を起こることを妨げるために必要であるか、または望ましいことがある。特定の官能基のために適した保護基の選択、ならびにこのような官能基の保護および脱保護のために適した条件および試薬は、当技術分野において周知である。本明細書に記載されている手順において例示されているもの以外の保護基を、必要に応じて使用し得る。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は、上記のT.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesisに記載されている。さらに具体的には、下記の略語および試薬は、下記で示すスキームにおいて使用される。]
[0167] P1は、アミノ基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「アミノ保護基」を表す。代表的なアミノ保護基には、それだけに限らないが、t−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)などが含まれる。標準的な脱保護技術を使用して、P1基を除去する。例えば、N−BOC基は、DCM中のTFAまたは1,4−ジオキサン中のHClなどの酸性試薬を使用して除去することができ、一方Cbz基は、アルコール性溶媒中のH2(1atm)および10%Pd/C(「H2/Pd/C」)などの接触水素化条件を用いることによって除去することができる。]
[0168] P2は、カルボキシ基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「カルボキシ保護基」を表す。代表的なカルボキシ保護基には、それだけに限らないが、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルロエニルメチル(Fm)、トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが含まれる。標準的な脱保護技術および試薬を使用してP2基を除去し、それはどの基を使用するかによって変わり得る。例えば、P2がメチルであるときNaOHが一般に使用される、P2がt−ブチルであるときTFAまたはHClなどの酸が一般に使用され、P2がベンジルであるときH2/Pd/Cを使用し得る。]
[0169] P3は、チオール基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「チオール保護基」を表す。代表的なチオール保護基には、それだけに限らないが、エーテル、エステル(−C(O)CH3など)などが含まれる。NaOH、第一級アルキルアミン、およびヒドラジンなどの標準的な脱保護技術および試薬を使用して、P3基を除去し得る。]
[0170] P4は、テトラゾール基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「テトラゾール保護基」を表す。代表的なテトラゾール保護基には、それだけに限らないが、トリチル、ベンゾイル、およびジフェニルメチルが含まれる。DCM中のTFAまたは1,4−ジオキサン中のHClなどの標準的な脱保護技術および試薬を使用して、P4基を除去する。]
[0171] P5は、ヒドロキシル基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「ヒドロキシル保護基」を表す。代表的なヒドロキシル保護基には、それだけに限らないが、C1〜6アルキル;トリC1〜6アルキルシリル基(トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)など)、およびtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)を含めたシリル基;C1〜6アルカノイル基(ホルミル、アセチル、およびピバロイルなど)、ならびに芳香族アシル基(ベンゾイルなど)を含めたエステル(アシル基);アリールメチル基(ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)など)などが含まれる。標準的な脱保護技術および試薬を使用してP5基を除去し、それはどの基を使用するかによって変わり得る。例えば、P5がベンジルであるときH2/Pd/Cが一般に使用され、一方P5がアシル基であるときNaOHが一般に使用される。]
[0172] P6は、アミド基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「スルホンアミド保護基」を表す。代表的なスルホンアミド保護基には、それだけに限らないが、t−ブチルおよびアシル基が含まれる。例示的アシル基には、脂肪族低級アシル基(ホルミル、アセチル、フェニルアセチル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリルおよびピバロイル基など)、ならびに芳香族アシル基(ベンゾイルおよび4−アセトキシベンゾイルなど)が含まれる。標準的な脱保護技術および試薬を使用してP6基を除去し、それはどの基を使用するかによって変わり得る。例えば、P6がt−ブチルであるときHClが一般に使用され、一方P6がアシル基であるときNaOHが一般に使用される。]
[0173] P7は、ホスフェートまたはホスフィネート基において望ましくない反応を防止するのに適した保護基を意味するように本明細書において使用される用語である「ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基」を表す。代表的なホスフェートおよびホスフィネート保護基には、それだけに限らないが、C1〜4アルキル、アリール(例えば、フェニル)、ならびに置換アリール(例えば、クロロフェニルおよびメチルフェニル)が含まれる。保護された基は、−P(O)(OR)2で表すことができ、Rは、C1〜6アルキルまたはフェニルなどの基である。TMS−1/2,6−ルチジン、およびH2/Pd/Cなどの標準的な脱保護技術および試薬を使用して、各々エチル、およびベンジルなどのP7基を除去する。]
[0174] さらに、Lは、本明細書において求核置換反応などの置換反応において、別の官能基または原子で置き換えることができる官能基または原子を意味するために使用される用語である「脱離基」を示すために使用される。例示として、代表的な脱離基には、クロロ、ブロモおよびヨード基;スルホン酸エステル基(メシレート、トリフレート、トシレート、ブロシラート、ノシラートなど);ならびにアシルオキシ基(アセトキシ、トリフルオロアセトキシなど)などが含まれる。]
[0175] これらのスキームにおいて使用するための適切な塩基には、例示として、限定的ではなく、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシド、および金属水素化物が含まれる。]
[0176] これらのスキームにおいて適切な不活性希釈剤または溶媒には、例示として、限定的ではなく、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(MeCN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム(CHCl3)、四塩化炭素(CCl4)、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、水などが含まれる。]
[0177] 適切なカルボン酸/アミンカップリング試薬には、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)などが含まれる。カップリング反応は、塩基の存在下で不活性希釈剤中で行われ、従来のアミド結合形成条件下で行われる。]
[0178] 全ての反応は典型的には、約−78℃〜100℃の範囲の温度、例えば室温で行われる。反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および/またはLCMSの使用によって完了するまでモニターし得る。反応は、数分で完了することがあり、または数時間、典型的には1〜2時間および48時間までかかることがある。完了すると、このように得られた混合物または反応生成物は、所望の生成物を得るためにさらに処理し得る。例えば、このように得られた混合物または反応生成物は、下記の手順の1つまたは複数に供し得る。濃縮または分配(例えば、EtOAcと水との間、またはEtOAc中の5%THFと1Mのリン酸との間);抽出(例えば、EtOAc、CHCl3、DCM、クロロホルムによる);洗浄(例えば、飽和NaCl水溶液、飽和NaHCO3、Na2CO3(5%)、CHCl3または1MのNaOHによる);乾燥(例えば、MgSO4上で、Na2SO4上で、または真空中で);濾過;結晶化(例えば、EtOAcおよびヘキサンから);濃縮(例えば、真空中で);ならびに/または精製(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、分取HPLC、逆相HPLC、もしくは結晶化)。]
[0179] 例示として、式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、およびプロドラッグは、下記の例示的工程の1つまたは複数によって調製することができる。本発明の化合物の1つの調製方法は、スキームIにおいて示されているように、化合物(1)と(2)とをカップリングさせ、それに続き化合物(4)と反応させ、R1*がR1の保護された形態であり、かつ/またはR5*がR5の保護された形態であるとき、任意選択の脱保護ステップを伴う(R2は、典型的には、−CH3などの部分であり、R2’は、典型的にはHである)。]
[0180] スキームI]
[0181] ]
[0182] 本発明の化合物の他の調製方法は、スキームIIにおいて示されているように、化合物(6)および(7)をカップリングし、次いでその生成物を化合物(9)と反応させ、任意選択の脱保護ステップを伴う(nは、典型的には0であり、R2’は、典型的にはHである)。]
[0183] スキームII]
[0184] X部分は、1つまたは複数のアミド基を含有し、したがって本発明の化合物は、従来のアミド結合形成条件下のカップリング反応、続いて必要な場合は脱保護ステップによって形成し得る。スキームIおよびIIにおいて、AおよびB部分をカップリングしてXが形成され、aおよびbの和は、0〜11の範囲である。したがって、1つの部分は、アミン基を含み、1つの部分は、カルボン酸基を含み、すなわち、Aは、−(CH2)a−NH2であり、Bは、−(CH2)b−COOHであり、またはAは、−(CH2)a−COOHであり、Bは、−(CH2)b−NH2である。例えば、Xが−CONH−である式Iの化合物を合成するために、Aは−COOHであり、Bは−NH2である。同様に、−NH2としてのAおよび−COOHとしてのBをカップリングし、X部分として−NHCO−を形成する。それがアルキレン部分を含有しようと、またはさらなるアミド基を含有しようと、より長いXが所望である場合、AおよびBは容易に修飾することができる。例えば、−CH2NH2としてのAおよび−COOHとしてのBをカップリングして、X部分として−CH2NHCO−を形成する。]
[0185] −(CH2)aおよび−(CH2)b基中の炭素原子は、「X」リンカーを構成することが理解される。したがって、これらの炭素原子は、1個または複数のR4b基で置換されていてもよい。さらに、−(CH2)aまたは−(CH2)b基中の1個の−CH2−基は、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、または−CH=CR4d−基で置き換えられていてもよい。]
[0186] Ar*は、Ar−R1*を表し、R1*は、本明細書に定義されているようなR1、またはR1の保護された形態(例えば、−テトラゾール−5−イル−P4、もしくは−C(O)O−C1〜6アルキルなどの−C(O)O−P2)、またはR1の前駆体(例えば、−CNであり、それは次いでテトラゾールに変換される、またはニトロであり、次いでそれはアミノに変換される、それらから所望のR1が調製される)を表し得る。R5*は、本明細書に定義されているようなR5、またはR5の保護された形態を表す。したがって、R1*がR1を表し、R5*がR5を表すとき、反応はカップリングステップ後に完了する。]
[0187] 他方、R1*がR1の保護された形態を表し、かつ/またはR5*がR5の保護された形態を表すとき、引き続く全体的または順次の脱保護ステップによって、保護されていない化合物が生じる。同様に、R1*がR1の前駆体を表すとき、引き続く変換ステップによって、所望の化合物が生じる。脱保護のための試薬および条件は、化合物中の保護基の性質に伴って変化する。R5*がC0〜3アルキレン−S−P3を表すときの典型的な脱保護条件には、アルコール性溶媒中化合物をNaOHで0℃または室温で処理し、保護されていない化合物を生じさせることが含まれる。R1*がC(O)O−P2(P2は、t−ブチルを意味する)を表すときの典型的な脱保護条件には、DCM中化合物をTFAで室温にて処理し、保護されていない化合物を生じさせることが含まれる。したがって、本発明の化合物を調製する一方法には、化合物(1)と(2)とをカップリングさせ(R1*がR1の保護された形態であり、かつ/またはR5*がR5の保護された形態であるとき任意選択の脱保護ステップを伴う)、このように式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を形成させることを伴う。]
[0188] 化合物(1)の例には、市販の7−メチル−2−プロピル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸が含まれる。化合物(2)の例には、(R)−3−アミノ−N−ベンジルオキシ−4−フェニルブチルアミドが含まれる。化合物(4)の例には、4−ブロモメチル安息香酸メチルエステルおよび5−(4’−ブロモメチルビフェニル−2−イル)−1−トリチル−1H−テトラゾールが含まれる。化合物(6)の例には、市販の2−エトキシ−3−[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イルメチル]−3H−ベンズイミダゾール−4−カルボン酸が含まれる。化合物(7)の例には、1−クロロメチル−3−メチルブチルアミン塩酸塩が含まれる。化合物9は、R5またはR5*置換基の塩の形態、例えば、チオ酢酸カリウムである。出発物質および試薬は市販であり、または当技術分野で公知の技術によって、ならびに下記および実施例において記載されている方法によって容易に合成することができる。]
[0189] 化合物(2)の調製
化合物(2)は、文献、例えば、Neustadtら、(1994年)J.Med.Chem.37巻:2461〜2476頁およびMoreeら、(1995年)J.Org.Chem.60巻:5157〜69頁に記載されている技術に従うことによって、ならびに下記に記載する例示的手順を使用することによって容易に調製される。キラリティーを伴わずに示されている化合物(2)の例には、]
[0190] が含まれる。]
[0191] 化合物(2)はキラル中心を有するため、特定の立体異性体を合成することが望ましいことがあり、例は、下記の通りである。]
[0192] キラルアミノヒドロキサメート化合物(2i)の調製]
[0193] DIPEAなどの塩基およびEDCなどのカップリング剤を、HOBtおよびヒドロキシルアミン塩酸塩を含有する化合物(2a)のDMF溶液に加える。反応が完了するまで混合物を室温で撹拌し、次いで真空中で濃縮する。このように得られた材料を、EtOAc中の5%THFおよび1Mのリン酸に分配する。有機層を集め、1MのNaOHなどの塩基で洗浄する。次いで、アルカリ性水層を(例えば、1Mのリン酸で)酸性化し、EtOAcで抽出する。有機層を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化合物(2i)を得る。化合物(2a)の例には、(R)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル酪酸が含まれる。]
[0194] スルファニル酸性化合物(2ii)の調製]
[0195] 化合物(2b)をジエチルアミンと混合し、氷浴中冷却する。次いで、ホルムアルデヒド水溶液(37%)を加え、混合物を0℃で約2時間撹拌し、室温に温め、一晩撹拌する。次いで、混合物をエーテルで抽出し、洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固し、化合物(2c)を得る。次いで、化合物(2c)を1,4−ジオキサンに溶解し、1MのNaOH溶液を加える。反応が完了するまで混合物を室温で撹拌する。有機溶媒を真空中で除去し、水性残渣をEtOAcですすぎ、濃HClでpH約1に酸性化する。生成物をEtOAcで抽出し、乾燥させ、蒸発乾固し、化合物(2d)を得る。化合物(2d)をチオール酢酸(10mL)と合わせ、反応が完了するまで混合物を80℃で撹拌し、次いで乾燥するまで濃縮し、化合物(2ii)を得て、それをトルエンに溶解し、濃縮し、微量のチオール酢酸を除去する。(2b)の例には、2−ベンジルマロン酸モノエチルエステル(R6=ベンジル)および2−イソブチルマロン酸モノエチルエステル(R6=イソブチル)が含まれる。]
[0196] キラルアミノスルフヒドリル二量体化合物(2iii)の調製]
[0197] アゾジカルボン酸ジイソプロピルをTHFなどの溶媒中のトリフェニルホスフィンの溶液に加え、氷浴中で冷却する。溶液を撹拌し、化合物(2e)およびチオ酢酸を加える。反応が完了するまで混合物を最初に0℃で、次いで室温で撹拌する。混合物をストリップし、EtOAcで希釈し、洗浄する。有機層を乾燥させ、濾液を蒸発乾固する。このように得られた材料を、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物(2f)を得る。化合物(2f)を適切な溶媒に溶解し、それに続き1MのLiOHなどの塩基を加える。空気で溶液を1時間泡立たせ、続いて溶媒を加える。反応が完了するまで混合物を室温で撹拌する。次いで、溶液を例えば酢酸でpH約5に酸性化する。沈殿物を濾過し、すすぎ、化合物(2g)を固体として得て、それをMeCNに懸濁させ、次いで真空中で濃縮する。回収した材料を1,4−ジオキサン中の4MのHClに溶解し、反応が完了するまで室温で撹拌する。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、EtOAcで粉砕する。生成物を濾過し、洗浄し、真空中で乾燥させ、化合物(2iii)を得る。化合物(2e)の例には、((R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸t−ブチルエステルが含まれる。]
[0198] キラルスルファニル酸化合物(2iv)の調製]
[0199] D−ロイシンなどの化合物(例えば、R6=イソブチル)を3MのHBr(水性)に溶解することによって化合物(2h)を形成し、0℃に冷却する。亜硝酸ナトリウムの水溶液を加え、反応が完了するまで混合物を0℃で撹拌する(約2.5時間)。次いで、混合物をEtOAcで抽出し、洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物(2h)を得る。化合物(2h)をチオ酢酸カリウムおよびDMFと合わせ、反応が完了するまで混合物を室温で撹拌する。水を加え、次いで混合物を抽出し、洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物(2iv)を得る。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。化合物(2h)の例には、(R)−2−ブロモ−4−メチルペンタン酸が含まれる。化合物(2iv)の例には、(S)−2−アセチルスルファニル−4−メチルペンタン酸が含まれる。]
[0200] キラルスルファニル酸化合物(2v)の調製]
[0201] 化合物(2i)である(S)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンは典型的には市販である。化合物(2j)はまた典型的には市販であり、または容易に合成することができる。例えば、R6−CH2−COOH(例えば、イソカプロン酸または3−フェニルプロピオン酸)を塩化メチレンに溶解し、塩化チオニルを加える。反応が完了するまで混合物を室温で撹拌し、次いで濃縮し、化合物(2j)を得る。化合物(2j)の例には、4−メチルペンタノイルクロリドおよび3−フェニルプロピオニルクロリドが含まれる。]
[0202] 化合物(2i)を適切な溶媒に溶解し、窒素下で冷却する(−78℃)。ヘキサン中のn−ブチルリチウムを滴下で添加し、撹拌し、続いて化合物(2j)を滴下で添加する。混合物を−78℃で撹拌し、次いで0℃に温める。飽和NaHCO3を加え、混合物を室温に温める。混合物を抽出し、洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物(2k)を得る。化合物(2k)をDCMに溶解し、0℃にて窒素下で撹拌する。全て適当な溶媒中で、1Mの四塩化チタン、続いて1,3,5−トリオキサンを加える。第2の相当する1Mの四塩化チタンを加え、反応が完了するまで混合物を0℃で撹拌する。次いで、混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチする。適当な溶媒を加え、水相を抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ、濾過し、濃縮し、(2l)を得て、次いでそれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製するか、または次のステップおいてそれ以上精製することなく使用する。化合物(2l)を溶媒に溶解し、それに水中の9Mの過酸化水素を加え、続いて水中の1.5Mの水酸化リチウム一水和物を滴下で添加する。混合物を室温に温め、撹拌する。任意選択で水酸化カリウムを加え、混合物を60℃で加熱し、次いで室温に冷却してもよい。これに、亜硫酸ナトリウムの水溶液、続いて水およびクロロホルムを加える。水層を抽出し、酸性化し、再び抽出する。有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにかけ、(2m)を得る。トリフェニルホスフィンを適当な溶媒に溶解し、0℃で冷却する(氷浴)。アゾジカルボン酸ジイソプロピルを滴下で添加し、混合物を撹拌する。適当な溶媒に溶解した化合物(2m)およびチオ酢酸を、混合物に滴下で添加する。添加後、混合物を氷浴から取り出し、反応が完了するまで室温で撹拌し(約3.5時間)、濃縮し、次いで分配する。有機層を抽出し、合わせた水様抽出物を洗浄し、酸性化し、濃縮する。有機層を再び洗浄し、乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにかけ、化合物(2v)を得る。化合物(2v)の例には、(S)−2−アセチルスルファニルメチル−4−メチルペンタン酸が含まれる。]
[0203] 化合物(4)の調製]
[0204] 出発物質(4a)は、文献、例えばDunciaら(1991年)J.Org.Chem.56巻:2395〜400頁、およびそこで引用されている参考文献に報告されている合成法を使用して調製することができる。代わりに、保護された形態の出発物質(4b)は、市販でよい。市販の保護されていない出発物質(4a)を使用して、R1基を最初に保護し、保護された中間体(4b)を形成し、次いで脱離基(L)を加え、例えば、ハロゲン化反応によって化合物(4)を形成させる。例えば、N−トリフェニルメチル−5−[4’−メチルビフェニル−2−イル]テトラゾールのメチル基の臭素化反応は、Chaoら、(2005年)J.Chinese Chem.Soc.52巻:539〜544頁に記載されている。さらに、Ar*が−CN基を有するとき、それは引き続いて所望のテトラゾリル基に変換することができ、これは保護し得る。ニトリル基の変換は、適切なアジド(アジ化ナトリウム、トリアルキルスズアジド(特に、トリブチルスズアジド)またはトリアリールスズアジドなど)との反応によって容易に達成される。Arが残りの式の1つを有するとき、化合物(4)は、同様の技術または当技術分野で周知であるような他の方法を使用して容易に合成される。]
[0205] 化合物(4)の例示的調製方法には、下記が含まれる。出発物質(4a)および塩化チオニルの溶液を室温で撹拌する。完了すると、混合物を真空中で濃縮し、固体を得て、それを適切な溶媒に溶解し、冷却する(約0℃)。次いで、カリウムt−ブトキシドを加える。完了すると、混合物を分配し、有機層を洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物(4b)を得る。代わりに、HClを出発物質(4a)および溶媒(メタノールなど)の溶液に加える。混合物を加熱還流し、完了するまで撹拌し(約48時間)、次いで冷却し、濃縮する。回収した材料を真空中で乾燥させ、(4b)を得る。中間体(4b)、過酸化ベンゾイル、およびN−ブロモスクシンイミドを、CCl4またはベンゼンに溶解し、加熱還流する。反応が完了するまで混合物を撹拌し、室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮する。このように得られた残渣をジエチルエーテルおよびヘキサンから結晶化し、またはフラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物(4)を得る。]
[0206] (4a)の例には、4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸、2−フルオロ−4−メチル安息香酸、および2,3−ジフルオロ−4−メチル−安息香酸が含まれる。(4b)の例には、N−トリフェニルメチル−5−[4’−メチルビフェニル−2−イル]テトラゾールが含まれる。]
[0207] R1が−SO2NHR1dである化合物(4)は、下記のように合成し得る。]
[0208] 出発物質である2−ブロモベンゼン−1−スルホンアミドは市販である。DMFなどの溶媒中の2−ブロモベンゼン−1−スルホンアミドと、1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミンとの反応、それに続く水中の硫酸水素ナトリウムの添加によって、2−ブロモ−N−[1−ジメチルアミノメト−(E)−イリデン]ベンゼンスルホンアミドが生じる。この化合物は4−メチルフェニルボロン酸と反応して、4’−メチルビフェニル−2−スルホン酸1−ジメチルアミノメト−(E)−イリデンアミドが生じ、次いで例えばハロゲン化反応によって−(CH2)r−L部分を加え、化合物(4)が生じる。]
[0209] Ar部分が置換されている化合物(4)は、下記のように合成し得る。]
[0210] 出発物質である2−ブロモ安息香酸は市販である。適切な溶媒中の2−ブロモ安息香酸と、t−ブチルアルコール、DCCおよびDMAPとの反応によって、2−ブロモ−安息香酸t−ブチルエステルが生じる。この化合物は、3−フルオロ−4−メチルフェニルボロン酸と反応し、3’−フルオロ−4’−メチル−ビフェニル−2−カルボン酸t−ブチルエステルが生じ、次いで例えばハロゲン化反応によって−(CH2)r−L部分を加え、化合物(4)が形成される。]
[0211] (4)の例には、4’−ブロモメチルビフェニル−2−カルボン酸t−ブチルエステル、4−ブロモメチル−2−フルオロ安息香酸メチルエステル、5−(4’−ブロモメチルビフェニル−2−イル)−1−トリチル−1H−テトラゾール、4−ブロモメチル安息香酸メチルエステル、および4−ブロモメチル−2,3−ジフルオロ安息香酸メチルエステル、4’−ホルミル−ビフェニル−2−スルホン酸t−ブチルアミド、4’−アミノメチルビフェニル−2−カルボン酸t−ブチルエステル、および4’−ブロモメチル−3’−フルオロビフェニル−2−カルボン酸t−ブチルエステルが含まれる。]
[0212] 必要に応じて、式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、式Iの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を薬学的に許容される塩基または酸と接触させることによって調製することができる。]
[0213] 本明細書に記載されている特定の中間体は、新規であると考えられ、したがって、このような化合物は、例えば、式III、IV、およびVの化合物、ならびにその塩を含めた本発明のさらなる態様として提供され、]
[0214] 式中、Ar*は、Ar−R1*であり、Ar、r、n、R2、R2’、R3、X、およびR5〜7は、式Iについて定義されている通りであり、R1*は、−C(O)O−P2、−SO2O−P5、−SO2NH−P6、−P(O)(O−P7)2、−OCH(CH3)−C(O)O−P2、−OCH(アリール)−C(O)O−P2、およびテトラゾール−5−イル−P4から選択され、P2は、カルボキシ保護基であり、P4は、テトラゾール保護基であり、P5は、ヒドロキシル保護基であり、P6は、スルホンアミド保護基であり、P7は、ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基であり、]
[0215] 式中、Ar、r、n、R2、R2’、R3、X、およびR6〜7は、式Iについて定義されている通りであり、R5*は、−C0〜3アルキレン−S−P3、−C0〜3アルキレン−C(O)NH(0−P5)、−C0〜3アルキレン−N(O−P5)−C(O)R5d、−C0〜1アルキレン−NHC(O)CH2S−P3、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(O−P7)2、−C0〜3アルキレン−P(O)(O−P7)−R5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−C(O)O−P2および−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−C(O)O−P2、および−C0〜3アルキレン−S−S−P3から選択され、R5d〜iは、式Iについて定義されている通りであり、P2は、カルボキシ保護基であり、P3は、チオール保護基であり、P5は、ヒドロキシル保護基であり、P7は、ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基であり、]
[0216] 式中、Ar*は、Ar−R1*であり、Ar、r、n、R2、R2’、R3、X、およびR6〜7は、式Iについて定義されている通りであり、R1*は、−C(O)O−P2、−SO2O−P5、−SO2NH−P6、−P(O)(O−P7)2、−OCH(CH3)−C(O)O−P2、−OCH(アリール)−C(O)O−P2、およびテトラゾール−5−イル−P4から選択され、R5*は、−C0〜3アルキレン−S−P3、−C0〜3アルキレン−C(O)NH(0−P5)、−C0〜3アルキレン−N(0−P5)−C(O)R5d、−C0〜1アルキレン−NHC(O)CH2S−P3、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(O−P7)2、−C0〜3アルキレン−P(O)(O−P7)−R5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−C(O)O−P2および−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−C(O)O−P2、および−C0〜3アルキレン−S−S−P3から選択され、R5d〜iは、式Iについて定義されている通りであり、P2は、カルボキシ保護基であり、P3は、チオール保護基であり、P4は、テトラゾール保護基であり、P5は、ヒドロキシル保護基であり、P6は、スルホンアミド保護基であり、P7は、ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基である。したがって、本発明の化合物を調製する別の方法は、式III、IV、またはVの化合物の脱保護を伴う。]
[0217] 本発明の代表的な化合物またはその中間体を調製するための特定の反応条件および他の手順に関するさらなる詳細を、下記に示される実施例に記載する。]
[0218] 有用性
本発明の化合物は、アンジオテンシンII1型(AT1)受容体アンタゴニスト活性を有する。一実施形態では、本発明の化合物は、AT2受容体よりもAT1受容体の阻害に対して選択的である。本発明の化合物はまた、ネプリライシン(NEP)阻害活性を有し、すなわち、この化合物は、酵素−基質活性を阻害することができる。別の実施形態では、この化合物は、アンジオテンシン変換酵素において有意な阻害活性を示さない。式Iの化合物は、活性薬物、およびプロドラッグでよい。したがって、本発明の化合物の活性を論じるとき、任意のこのようなプロドラッグは、一度代謝されると、期待されるAT1およびNEP活性を有することが理解される。]
[0219] AT1受容体に対する化合物の親和性の1つの基準は、AT1受容体への結合についての阻害定数(Ki)である。pKi値は、Kiの底10に対する負の対数である。化合物がNEP活性を阻害する能力の1つの基準は、NEP酵素による基質変換の最大半減阻害をもたらす化合物の濃度である阻害濃度(IC50)である。pIC50値は、IC50の底10に対する負の対数である。AT1受容体において約5.0以上のpKiを示し、NEPについて約5.0以上のpIC50を示すものを含めて、AT1受容体拮抗活性およびNEP酵素阻害活性の両方を有する本発明の化合物を特に対象とする。]
[0220] 一実施形態では、対象とする化合物は、AT1受容体において≧約6.0のpKi、AT1受容体において≧約7.0のpKi、またはAT1受容体において≧約8.0のpKiを有する。対象とする化合物にはまた、NEPについて≧約6.0のpIC50、またはNEPについて≧約7.0のpIC50を有するものが含まれる。別の実施形態では、対象とする化合物は、AT1受容体において約8.0〜10.0の範囲のpKi、およびNEPについて約7.0〜10.0の範囲のpIC50を有する。]
权利要求:

請求項1
式I:の化合物または薬学的に許容されるその塩であって、式中、rは、0、1または2であり、Arは、から選択されるアリール基であり、R1は、−COOR1a、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−OCH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、から選択され、R1aは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、であり、R1aaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR1abR1ac、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R1abおよびR1acは、独立に、H、−C1〜6アルキル、またはベンジルであり、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R1bは、R1cまたは−NHC(O)R1cであり、R1cは、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−O−R1ca、−C1〜5アルキレン−NR1cbR1cc、−C0〜4アルキレンアリール、または−C0〜4アルキレンヘテロアリールであり、R1caは、H、−C1〜6アルキル、または−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルであり、R1cbおよびR1ccは、独立に、Hまたは−C1〜6アルキルであり、あるいは−(CH2)2−O−(CH2)2−または−(CH2)2−N[C(O)CH3]−(CH2)2−として一緒になり、R1dは、H、R1c、−C(O)R1c、または−C(O)NHR1cであり、R1eは、−C1〜4アルキルまたはアリールであり、nは、0、1、2または3であり、各R2は、ハロ、−NO2、−C1〜6アルキル、−C2〜6アルケニル、−C3〜7シクロアルキル、−CN、−C(O)R2a、−C0〜5アルキレン−OR2b、−C0〜5アルキレン−NR2cR2d、−C0〜3アルキレンアリール、および−C0〜3アルキレンヘテロアリールから独立に選択され、R2aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−OR2b、または−NR2cR2dであり、R2bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、または−C0〜1アルキレンアリールであり、R2cおよびR2dは、独立に、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜1アルキレンアリールであり、R2’は、HおよびR2から選択され、R3は、−C1〜10アルキル、−C2〜10アルケニル、−C3〜10アルキニル、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルケニレン−C3〜7シクロアルキル、−C2〜3アルキニレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜5アルキレン−NR3a−C0〜5アルキレン−R3b、−C0〜5アルキレン−O−C0〜5アルキレン−R3b、−C1〜5アルキレン−S−C1〜5アルキレン−R3b、および−C0〜3アルキレンアリールから選択され、R3aは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R3bは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、またはアリールであり、Xは、−C1〜12アルキレン−であり、前記アルキレン中の少なくとも1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aは、H、−OH、または−C1〜4アルキルであり、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOH、および−C0〜3アルキレン−S−SR5jから選択され、R5aは、Hまたは−C(O)−R5aaであり、R5aaは、−C1〜6アルキル、−C0〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキル、−C0〜6アルキレンアリール、−C0〜6アルキレンヘテロアリール、−C0〜6アルキレンモルホリン、−C0〜6アルキレンピペラジン−CH3、−CH[N(R5ab)2]−aaであり、aaは、アミノ酸側鎖、−2−ピロリジン、−C0〜6アルキレン−OR5ab、−OC0〜6アルキレンアリール、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C1〜6アルキル、−C1〜2アルキレン−OC(O)−C0〜6アルキレンアリール、または−C1〜2アルキレン−OC(O)−OC1〜6アルキルであり、R5abは、独立に、Hまたは−C1〜6アルキルであり、R5bは、H、−OH、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5baは、H、−C1〜6アルキル、アリール、−OCH2−アリール、−CH2O−アリール、または−NR5bbR5bcであり、R5bbおよびR5bcは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5cは、H、−C1〜6アルキル、または−C(O)−R5caであり、R5caは、H、−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R5dは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−NR5daR5db、−CH2SH、または−O−C1〜6アルキルであり、R5daおよびR5dbは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5eは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、シクロアルキル、−CH(CH3)OC(O)R5ea、であり、R5eaは、−O−C1〜6アルキル、−O−C3〜7シクロアルキル、−NR5ebR5ec、または−CH(NH2)CH2COOCH3であり、R5ebおよびR5ecは、独立に、H、−C1〜4アルキル、または−C1〜3アルキレンアリールであり、あるいは−(CH2)3〜6−として一緒になり、R5fは、H、−C1〜4アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレン−NR5faR5fb、または−C1〜3アルキレン(アリール)−C0〜3アルキレン−NR5faR5fbであり、R5faおよびR5fbは、独立に、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5gは、H、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、または−CH2−O−(CH2)2−OCH3であり、R5hは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R5iは、H、−C1〜4アルキル、または−C0〜3アルキレンアリールであり、R5jは、−C1〜6アルキル、アリール、または−CH2CH(NH2)COOHであり、R6は、−C1〜6アルキル、−CH2O(CH2)2OCH3、−C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、−C0〜3アルキレンアリール、−C0〜3アルキレンヘテロアリール、および−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、R7は、Hであり、またはR6と一緒になって−C3〜8シクロアルキルを形成し、−(CH2)r−中の各−CH2−基は、−C1〜4アルキルおよびフルオロから独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換されており、X中のアルキレン部分中の各炭素原子は、1個または複数のR4b基で任意選択で置換されており、X中の1個の−CH2−部分は、−C4〜8シクロアルキレン−、−CR4d=CH−、および−CH=CR4d−から選択される基で置き換えられていてもよく、R4bは、−C0〜5アルキレン−COOR4c、−C1〜6アルキル、−C0〜1アルキレン−CONH2、−C1〜2アルキレン−OH、−C0〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキル、1H−インドール−3−イル、ベンジル、またはヒドロキシベンジルであり、R4cは、Hまたは−C1〜4アルキルであり、R4dは、−CH2−チオフェンまたはフェニルであり、R1、R2、R2’、R3、R4a〜4d、およびR5〜6中の各アルキルおよび各アリールは、1〜7個のフルオロ原子で任意選択で置換されており、Ar中の各環、ならびにR1、R2、R2’、R3、およびR5〜6中の各アリールおよびヘテロアリールは、−OH、−C1〜6アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−CN、ハロ、−O−C1〜6アルキル、−S−C1〜6アルキル、−S(O)−C1〜6アルキル、−S(O)2−C1〜4アルキル、−フェニル、−NO2、−NH2、−NH−C1〜6アルキル、および−N(C1〜6アルキル)2から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択で置換されており、各アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、1〜5個のフルオロ原子で任意選択で置換されている、化合物または薬学的に許容されるその塩。
請求項2
rが1である、請求項1に記載の化合物。
請求項3
Arが、である、請求項1に記載の化合物。
請求項4
R1が、−COOH、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−O−CH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、である、請求項1に記載の化合物。
請求項5
R1が、−COOHまたはテトラゾール−5−イルである、請求項4に記載の化合物。
請求項6
R1が、−COOR1aであり、R1aが、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、である、請求項1に記載の化合物。
請求項7
nが0であり、またはnが1であり、R2が−C1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
請求項8
R2’が、Hまたは−C(O)R2aであり、R2aが、−C1〜6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
請求項9
R3が、−C1〜10アルキルまたは−C0〜5アルキレン−O−C1〜5アルキレン−R3bであり、R3bが、Hである、請求項1に記載の化合物。
請求項10
Xが、−C1〜2アルキレン−であり、前記アルキレン中の1個の−CH2−部分が、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aが、H、−OH、および−C1〜4アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
請求項11
Xが、−C(O)−NH−である、請求項10に記載の化合物。
請求項12
R5が、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−COOH、または−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−COOHであり、R5aが、Hであり、R5bが、−OHであり、R5cが、Hであり、R5dが、Hであり、R5eが、Hである、請求項1に記載の化合物。
請求項13
R5が、−C0〜3アルキレン−SR5a、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5c、−C0〜3アルキレン−NR5b−C(O)R5d、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(OR5e)2、−C0〜3アルキレン−P(O)OR5eR5f、または−C0〜3アルキレン−S−SR5jであり、R5aが、−C(O)−R5aaであり、R5bが、H、−OC(O)R5ba、−CH2COOH、−O−ベンジル、−ピリジル、または−OC(S)NR5bbR5bcであり、R5eが、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(CH3)−O−C(O)R5ea、である、請求項1に記載の化合物。
請求項14
R1が、−COOH、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−O−CH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、である、請求項12に記載の化合物。
請求項15
R1が、−COOR1aであり、R1aが、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、である、請求項13に記載の化合物。
請求項16
R1が、−COOR1aであり、R1aが、−C1〜6アルキル、−C1〜3アルキレンアリール、−C1〜3アルキレンヘテロアリール、−C3〜7シクロアルキル、−CH(C1〜4アルキル)OC(O)R1aa、−C0〜6アルキレンモルホリン、である、請求項12に記載の化合物。
請求項17
R1が、−COOH、−NHSO2R1b、−SO2NHR1d、−SO2OH、−C(O)NH−SO2R1c、−P(O)(OH)2、−CN、−O−CH(R1e)−COOH、テトラゾール−5−イル、である、請求項13に記載の化合物。
請求項18
R6が、−C1〜6アルキルおよび−C0〜3アルキレンアリールから選択される、請求項1に記載の化合物。
請求項19
R7が、Hである、請求項1に記載の化合物。
請求項20
Arが、1個のフルオロ原子で置換されている、請求項1に記載の化合物。
請求項21
から選択される式を有する、請求項1に記載の化合物。
請求項22
式を有し、式中、Arは、から選択されるアリール基であり、R1は、−COOHおよびテトラゾール−5−イルから選択され、nは0であり、またはnは1であり、R2は、−C1〜6アルキルであり、R2’は、Hおよび−C(O)−C1〜6アルキルから選択され、R3は、−C1〜10アルキルおよび−C0〜5アルキレン−O−C1〜5アルキレン−Hから選択され、Xは、−C1〜2アルキレン−であり、前記アルキレン中の1個の−CH2−部分は、−NR4a−C(O)−または−C(O)−NR4a−部分で置き換えられており、R4aは、H、−OH、および−C1〜4アルキルから選択され、R5は、−C0〜3アルキレン−SR5aおよび−C0〜3アルキレン−C(O)NR5bR5cから選択され、R5aは、Hまたは−C(O)−C1〜6アルキルであり、R5bは、H、−OH、または−OC(O)−C1〜6アルキルであり、R5cは、Hまたは−C1〜6アルキルであり、R6は、−C1〜6アルキルまたは−C0〜3アルキレンアリールである、請求項1に記載の化合物。
請求項23
から選択される式を有する、請求項22に記載の化合物。
請求項24
請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
請求項25
利尿剤、β1アドレナリン受容体遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、AT1受容体アンタゴニスト、ネプリライシン阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、プロスタグランジン、抗脂質剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、レニン阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、エンドセリン変換酵素阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン阻害剤、バソプレシン受容体アンタゴニスト、およびこれらの組合せを含む群から選択される第2の治療剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
請求項26
請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物の調製方法であって、該方法は、から選択される化合物またはその塩を脱保護することを含み、式中、Ar*は、Ar−R1*であり、R1*は、−C(O)O−P2、−SO2O−P5、−SO2NH−P6、−P(O)(O−P7)2、−OCH(CH3)−C(O)O−P2、−OCH(アリール)−C(O)O−P2、およびテトラゾール−5−イル−P4から選択され、R5*は、−C0〜3アルキレン−S−P3、−C0〜3アルキレン−C(O)NH(O−P5)、−C0〜3アルキレン−N(O−P5)−C(O)R5d、−C0〜1アルキレン−NHC(O)CH2S−P3、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(O−P7)2、−C0〜3アルキレン−P(O)(O−P7)−R5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−C(O)O−P2、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−C(O)O−P2、および−C0〜3アルキレン−S−S−P3から選択され、P2は、カルボキシ保護基であり、P3は、チオール保護基であり、P4は、テトラゾール保護基であり、P5は、ヒドロキシル保護基であり、P6は、スルホンアミド保護基であり、P7は、ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基である、方法。
請求項27
を含む群から選択される、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩の合成において有用な中間体であって、式中、Ar*は、Ar−R1*であり、R1*は、−C(O)O−P2、−SO2O−P5、−SO2NH−P6、−P(O)(O−P7)2、−OCH(CH3)−C(O)O−P2、−OCH(アリール)−C(O)O−P2、およびテトラゾール−5−イル−P4から選択され、R5*は、−C0〜3アルキレン−S−P3、−C0〜3アルキレン−C(O)NH(O−P5)、−C0〜3アルキレン−N(O−P5)−C(O)R5d、−C0〜1アルキレン−NHC(O)CH2S−P3、−NH−C0〜1アルキレン−P(O)(O−P7)2、−C0〜3アルキレン−P(O)(O−P7)−R5f、−C0〜2アルキレン−CHR5g−C(O)O−P2、−C0〜3アルキレン−C(O)NR5h−CHR5i−C(O)O−P2、および−C0〜3アルキレン−S−S−P3から選択され、P2は、カルボキシ保護基であり、P3は、チオール保護基であり、P4は、テトラゾール保護基であり、P5は、ヒドロキシル保護基であり、P6は、スルホンアミド保護基であり、P7は、ホスフェート保護基またはホスフィネート保護基である、中間体。
請求項28
治療においてまたは医薬として使用するための、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
請求項29
医薬の製造のための、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物の使用。
請求項30
前記医薬が高血圧または心不全の治療のために有用な、請求項29に記載の使用。
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